凶器の爪…細菌によって致命傷にも

民家の柿の木にはクマの爪痕が…。襲われた男性の一人は爪で顔を引っ掛かれ顔の骨を折る重傷でした。クマの爪の危険性について赤座さんは…

赤座さん:「深い傷跡ができて、そこにいろんな雑菌が入って、破傷風みたいな症状だとか。たしか2004年の人身被害で年配の女性が、11月か10月に被害を受けて、1月に亡くなっている。ずっと入院治療をして…。そういうしばらく闘病生活を続けられたあげくにそれがもとになくなったっていう、そういう例がある。」
記者:「それは爪による被害?」
赤座さん:「顔面の皮がかなり皮膚が剥がれて垂れ下がった」

これは2018年、富山県砺波市で撮影されたツキノワグマの爪です。

前足にはそれぞれ3センチから5センチの固い爪が5本あり、爪だけで木に上れるほどの力があって強力な武器となるのです。

赤座さんによりますと、この爪で引っ掛かれると深い傷ができるだけでなく、傷に繁殖した細菌によって致命傷に至ることもあるといいます。

赤座さん:「クマは顔を狙うんですよ。顔にダメージを加えると反撃能力がなくなることを知っているんですよね。自分に有利な戦い方っていうか。だから顔の一撃を何とか避けることですね。だけど、気付かないうちにクマが近寄ってきてバンってやられたら、ゆっくり後退りして、あまり大声で叫ばずにみたいな。そんな時間の余裕はないでしょう…。だから、顔の攻撃を避けるために、とにかく顔を抑えてうずくまるくらいのことしかできないと思います」

クマは男性2人を襲ったあと民家の裏側の田んぼから逃げて、別の屋敷林に立ち寄ったあとに南側へ逃げていったとみています。

クマが逃げっていった方向には足跡とクマが食べたとみられる柿の実が残されていました。

県内でクマによる人身被害は、ことしに入って7件目、あわせて9人です。

県はことし5回目のツキノワグマ出没警報を出し、警戒を呼びかけています。