固定されていない梁に、換気システムの不備で壁中カビだらけに…

ほかにも、家中の至るところに不気味に広がるシミなど、次々と出てくる家の不具合。不安を覚えた鈴木さんが頼ったのは、人呼んで「住宅Gメン」の住宅検査カノム・長井良至一級建築士。多くの欠陥住宅の原因究明や施工業者との交渉など、アドバイスにあたってきました。
さっそく屋根裏から調べます。まず見つけたのは、梁の欠陥でした。柱同士をつなぎ、建物を支える「梁」。もちろん、ボルトなどでしっかり固定することが義務付けられていますが…
(住宅検査カノム 長井良至一級建築士)
「ナットが締まりきっていないですね。ここはナットが入っていない。大きな地震が来たときに、(梁が)外れやすく破断しやすくなる」
なんと、固定されていなかったのです。さらに室内にも問題が。クローゼットの中に入ると、中の壁面には綿埃のようにカビが生えていました。
(施主 鈴木さん(仮名))
「礼服なんですけど、カビで着られない状態」
カビは掃除機能のついたエアコンの奥深くでも広がっていました。通常ではありえない状態で、エアコンをつけることでカビをさらに拡散していたのです。鈴木さんも、使い始めと使い終わりにエアコンを掃除していますが、すぐにカビが生えてしまうといいます。
原因は、壁に含まれる“水分”でした。一般的に、内壁の水分量である「含水率」は、通常0%になっているはずですが、鈴木家の壁は…
(住宅検査カノム 長井良至一級建築士)
「高いですね、9%くらい。普通の住宅だとない。(壁が)湿っているので、カビの原因になる」
換気システムの不具合で湿気を出すことができず、カビが広がったと思われます。