全く固定されていない梁に、家中の木材から湧き出る“謎の虫”。さらに、壁を覆う“カビ”と、欠陥だらけの家を建てられた一家。施工業者に賠償金やリフォームを求めるものの納得できる回答が得られず、困っている家族がいます。“欠陥住宅”で暮らす家族を取材しました。

壁や床から謎の虫が大量発生…入居1年であらわになった“数々の欠陥”

問題の物件を抱えているのは、鈴木さん夫婦(仮名)です。9年前に建てた自宅は、3LDKの木造一軒家。家族3人の夢のマイホームになるはずが、建ててすぐ続々と問題が…

(施主 鈴木さん(仮名))
「この窓になるんですけど、すきま風がひどくて。冬はとても寒くて、夏は逆に暑い」

窓から吹き込むすきま風のせいで、いくら冷暖房で室温を調整しても、夏は暑く冬は寒い状況です。国の調査では、一般家庭の1か月の電気代の平均額は約1万6000円となっていますが、鈴木家ではことし2月、ひと月で7万948円もの電気代がかかっています。「何かおかしい」と感じ始めたのは、家が完成してからまもなくのことでした。

(施主 鈴木さん(仮名))
「入居1年後に小さい黒い虫がいろんなところに出てくるようになって、あっという間に何百、何千匹と出てきて」

防虫駆除の会社が調べると、「アメリカ ヒラタキクイムシ」と判明。業者が防虫処理を行い、約3年でおさまると言われたものの、今でも屋内で虫を見かけるといいます。アメリカヒラタキクイムシは、家の壁や床から出てくる小さな黒い虫で、木材の中に産み付けられた卵から幼虫がかえり、木を食べて成長します。

(施主 鈴木さん(仮名))
「虫の穴ですね。まだ出てきている感じで、木くずが出ている」

成虫になると外へ出てくるため、木材の表面には虫が出て来た無数の穴ができていました。