専門家「大麻と同じような効果を示す危険性」も、規制なし成分

湘南医療大学 薬学部 舩田正彦 教授
「大麻に含まれている成分である、テトラヒドロカンナビノールの形を基本として合成」

幻覚を引き起こすなどとして、すでに規制されている大麻成分「THC」=テトラヒドロカンナビノール。

この成分に似せて作られた合成化合物が、グミの袋に書かれていた「HHCH」=「ヘキサヒドロカンナビヘキソール」です。

湘南医療大学 薬学部 舩田正彦 教授
「こういった成分を摂取することで、大麻と同じような効果を示す危険性があると考えられる」

ただ、このHHCHは現時点では規制対象ではなく、HHCHを含んだ商品は、街中やネットなどでも販売されています。

グミ製造会社を訪ねたが…

喜入友浩キャスター(11月15日夜)
「大阪駅近くのオフィス街です。搬送された人たちが食べたグミは、このビルに入る会社が製造したものでした」

話を聞こうと会社を訪ねましたが…

記者
「こんばんは」

応答はありませんでした。

この会社をめぐっては、11月10日、大阪市が食品衛生法に基づき立ち入り調査を実施しましたが、問題は確認されていないといいます。

警視庁は現在、グミの成分鑑定を進めていて、今後、指定薬物や未承認の成分が検出された場合は、警察の取り締まりや自主回収の指導の対象になる可能性もあります。

ただ、売り手側が成分を変えて、規制の網をかいくぐる“いたちごっこ”が続いている実状もあり、専門家は“先手の規制”が必要だと指摘します。

湘南医療大学 薬学部 舩田正彦 教授
「こういうものに対応するには、類似の構造の化学物質を、包括的に規制するかたちで、先手を打って流通する前に、規制をかけていくのが重要なポイント」