■プロ野球12球団合同トライアウト(15日、ファイターズ鎌ケ谷スタジアム)

プロとしての“再起”をかけて投手41人、野手18人の合計59人がトライアウトに参加した。昨年は4人が合格した。各球団のスカウト陣が集結し、日本ハムの稲葉篤紀GM、ヤクルトの小川淳司GMも視察に訪れた。

参加者には2019年プレミア12で台湾代表として活躍し、ベストナインの先発投手部門にも選出された西武・張奕(29)や2018年に最多勝のタイトルを獲得した元西武・多和田真三郎(30)、2016年セ・リーグ新人王の阪神・髙山俊(30)などが参加した。

気温12℃と肌寒いコンディション。注目は2015年にドラフト1位でソフトバンクに入団した髙橋純平(26)、2019年には自己最多の45試合に登板し、3勝2敗17ホールド、防御率2.65、リーグ優勝は逃したが日本一獲得に貢献した。2022年、2023年と2年連続で1軍でのマウンドはなかったが再起をかけるトライアウト。1人目の打者にカットボール、スライダーと投げ込み、3球目のストレートを繋りながらもレフト前へヒットを打たれた。

それでも2人目は内角低めに食い込むツーシームで空振り三振、3人目はスライダーを引っ掛けてしまい死球と打者3人に対して7球、被安打1、死球1。全球種、しっかりと腕を振って投げ切った。

「凄く緊張したし、これが最後のマウンドになるかもしれないと思って練習してきた」と思いを語り、「まだまだ現役でやりたいという思いは強い。どこかで再スタートをできたらいい」とコメントした。

2018年に16勝を挙げて最多勝のタイトルを手にした元西武の多和田真三郎(30)。2019年に自律神経失調症を公表し、治療に専念したが2度の戦力外通告を受けた。2023年は病状も回復し、北海道の軟式野球チームでプレーを続けていた。

再びプロを目指した勝負のマウンド、多和田は1人目はストレートで力勝負、143キロでセンターフライに打ち取った。2人目には一転、スライダーを連投、カウント1-2と追い込むと最後は外角ギリギリに141キロのストレートで見逃しの三振。

そして3人目はロッテの福田秀平(34)と対戦。かつてはレギュラーシーズンで戦った相手に渾身のボールを投げ込んだが四球。投げ終わるとスタンドからは大きな拍手が沸き起こった。打者3人に対し、14球を投げ1奪三振、1四球、最速は143キロだった。

「2年前とは違った姿を見せられたかなと。やっぱり一番は自分が元気な姿を」と大声援を贈ってくれたファンに感謝を述べた。そして「もう一度、プロの世界に戻って1人でも多くの人に元気だったり、そういうものを見せていきたい」と語った。

2016年セ・リーグ新人王の阪神・髙山俊(30)は第1打席で内角低めを上手くさばき右中間へのツーベース、さらに第3打席にはライト前ヒットを放った。ヒットで出塁すると盗塁も成功させるなど2安打1盗塁と猛アピールした。

※阪神・髙山俊選手(左)と元西武・多和田真三郎投手(右)