この日、栄志くんの姿は、宿毛湾に浮かぶ船の上にありました。魚をさばくのはもちろん、自身で釣りをすることも。

そもそも、おととしの春、小学3年生の時に、自分で釣った魚をさばいて食べたことが魚を好きになったきっかけだったんです。

Q.やり始めた時は結構釣れた?
「やり始めたときは全く釣れませんでした」

Q.やっぱりコツとかある?
「魚をさばくのも一緒で、難しいのも一回コツをつかめばできるようになります」

Q.きょうはどう?
「きょうはまあ…釣れそうです」

今ではすっかり、一人前のアングラー。慣れた様子で次々と釣り上げます。

「オオモンハタ!オオモンハタは底にいるカサゴの仲間で根魚の高級魚です」(栄志くん)

釣りをしているとこんなことも…(流れてきたゴミを拾う)魚への興味が海の環境への関心にも繋がっていました。

釣りの“師匠”のひとり、フィッシングガイドの利岡(としおか)さんも、栄志くんの頑張りを後押ししています。

(利岡康生さん)
「すごいと思いますよ、小学生で自分でさばいて料理してというのは。最初来たときから釣りのジギングもできていました。センスはすごくあると思います」

この日も、利岡さんから風向きやルアーの使い分けなどを教わり、たくさんの魚が釣れました。

11歳とは思えない手つきで、魚をさばく栄志くん。和洋問わず様々な料理に挑戦していて、今ではメニューの開発にも取り組んでいます。魚のおいしさをたくさんの人に伝えたい、その思いが原動力です。また、SNSを通して、県外からも応援の声が届くようになりました。自分が大好きな高知の海を、高知の魚を知ってもらえた、うれしい反応です。

(栄志くん)
「宿毛の海はきれいで穏やかで自然がいっぱいあっていいなと思いました。これからも宿毛の海はきれいでゴミも何も落ちていない、いい海になればいいなと思います。将来の夢はお寿司屋さんを開いてみんなを笑顔にすることです」