富山県の新田知事が“肝いり”としてはじめた、県と市町村の連携強化を目指す「ワンチーム」会議をめぐり上市町の中川行孝町長が欠席を続けている問題で、11月の会議の4日前に、新田知事が中川町長に出席するよう説得に訪れていたことが分かりました。

10日、上市町議会の全員協議会に出席した中川行孝町長。中川町長は、県と市町村のトップによる「ワンチームとやま」連携推進本部会議で、JR城端線・氷見線のあいの風とやま鉄道への経営移管について、県側から発言の中止や表現の修正を求められたとして2回連続で欠席しています。

8日の定例会見で新田知事は─。
新田知事:「県としては丁寧に説明しようとして発言の中止や表現の変更を求めていると誤解されたと思うんですが、それは残念に思っています」
記者:「発言の中止を求めたり、修正を求めたという事実はないということですか」
新田知事:「はい。私が知事になって以降、どのような会議でもそのようなことはありません」

中川町長と新田知事の間で異なる認識。10日、中川町長に確認すると…。
毛田千代丸キャスター:「ワンチーム会議の件で、知事は発言の中止を求めたことはないとおっしゃってたんですが事実でしょうか」
中川町長:「そういうことは一切コメントしない」
毛田千代丸キャスター:「自由な発言ができない会議についてどう思いますか」
中川町長:「それはこの前言った通りだよ」

県や沿線4市は経営移管後の運営について、沿線の市以外に財政負担を求めないとしていますが、中川町長は将来的な維持費などを考えると、上市町も負担が生じる可能性があると懸念を示していて、町の総務課を通じて「意見を封じるような会合なら行かない」などとコメントしています。

こうした中、11月6日のワンチーム会議の4日前に、新田知事が自ら町役場を訪れ、中川町長と会談していたことが町への取材でわかりました。

新田知事は11月2日の午前11時半ごろから20分程度、中川町長と会談し、ワンチーム会議に出席するよう説得を図ったということです。一方、県の秘書課は県政日報以外の知事の予定は公開していないとして、中川町長と会談したかどうか明らかにしていません。

次回2024年1月の会議で、ワンチームになれるかどうかは不透明な情勢です。