富士通が1994〜98年に5連勝したエスビー食品以来の4連勝を達成した。東日本実業団駅伝は11月3日、埼玉県庁をスタートし、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場にフィニッシュする7区間76.9kmで行われた。4区でトップに立った富士通が3時間41分06秒の大会新記録で4連覇を達成。2位にニューイヤー駅伝2連勝中のHondaが3時間42分40秒で続いた。3位は昨年までの日立物流から社名変更したロジスティードが、3時間42分48秒で入った。
12位のNDソフトまでの上位12チームと、10月15日に行われたMGC(マラソン・グランドチャンピオンシップ。パリ五輪代表3枠のうち2人が決定)出場権を持っていた選手を擁するコニカミノルタ(13位)、JR東日本(15位)、GMOインターネットグループ(17位)を加えた15チームが元旦のニューイヤー駅伝出場権を得た。
塩尻が4区で駅伝の流れを変える走り
富士通4区(9.5km)の塩尻和也(26)が、区間タイの走りでレースの流れを変えた。
3区終了時の中継順位は富士通が3位。同タイムでHondaが、1秒差でロジスティードが続いていた。Hondaの小袖英人(25)もスピードランナーだが、中間走を押して行くスピードは世界陸上5000m代表だった塩尻が一枚上である。塩尻は2.5km付近で先頭争いをしていたKaoとヤクルトに追いつくと、3km過ぎからリードを奪い始めた。
しかし、一時はHonda、ロジスティード、ヤクルトの集団に100m近い差を付けたが、5区への中継時にはロジスティードの四釜峻佑(22)に11秒差と、少し差を縮められていた。
「(10秒先に中継所を出た)2チームが見えていたこともあって、前半のペースが速くなってしまいました。結果として区間賞を取ることはできましたが、20秒くらいは後続を離しておきたかったですね。(順大の後輩の四釜と)11秒差だったので、今回のレースを反省してニューイヤー駅伝に活かしたい」(塩尻)
しかしわずかの違いが、駅伝では流れを変えることもある。5区の横手健(30)がロジスティードとの差を一気に広げた。数秒差なら後ろの選手が一気に追いつくことができるが、11秒差があれば簡単には追いつけない。
横手は区間記録に5秒と迫る区間賞の走りだった。Hondaが世界陸上3000m障害代表だった青木涼真(26)で2位に上がったが、富士通は2位との差を51秒まで広げていた。
6区は富士通の伊豫田達弥(23)が30分02秒の区間賞と、流れを活かした駅伝をした。それに対しHondaは川瀬翔矢(25)が区間9位で5位に後退。富士通は7区も椎野修羅(24)が区間2位で危なげなく逃げ切った。














