富山県内のクマの市街地への相次ぐ出没や深刻な人身被害を受け、新田知事は9日、環境省を訪れ、被害の防止に関する緊急要望を行いました。要望では、クマ捕獲などへの財政的な支援や国の主導による生態調査を求めています。

新田知事:「富山県知事の新田八朗でございます」

新田知事は9日、クマ被害の防止に関する要望書を伊藤環境大臣に手渡しました。

県内ではクマの出没件数が急増していて、特に10月は前の年の12倍となり、人身被害も6件発生し1人が亡くなりました。

クマによる深刻な被害を受け、県ではパトロールなどに要する経費の補助上限額を撤廃するなどしています。

要望書では、捕獲やパトロール、エサとなる果樹の撤去などに対する財政的な支援制度の創設や、24年度以降の被害防止に向けて、市街地への出没傾向や行動パターンの分析といった、生態調査を国の主導で実施するよう求めました。

伊藤環境大臣は県内のクマ被害について「喫緊の課題だ」と述べ、支援策を検討する考えを示しました。

新田知事:「地域のニーズに応じた緊急的な支援を検討していると大臣からコメントがありました。私ども2点の要望をしたんですが、受け止めていただいたというふうに捉えています」