鹿児島市原良で登校中の小学生がイノシシに襲われてから1週間。わなも設置されているものの、いまだ捕獲されておらず、地元で警戒が続いています。

鹿児島市原良では今月1日、登校中の小学3年生の男子児童がイノシシに襲われ、右半身などに大けがをしました。これを受け、市などはわなを増やすなどしているものの、イノシシは捕獲されておらず、学校は登下校時の見守りなどを続けています。

(原良小学校 月俣員貞教頭)「人通りの多いところまで車で送迎している保護者が多い。見守りも今週いっぱいは続ける」

現場周辺では、今もイノシシの目撃が相次いでいます。人に慣れているのか、近くを車が横切っても、気にする様子はありません。

小学生が襲われた1日の夜にも、電柱下の土を掘っている姿が確認されました。撮影した市来さんは、娘の塾の送り迎えの際にほぼ毎回遭遇すると話します。

(市来さん)「ここ2、3か月で週に5回、通るたびにその辺にいる。こんなところにイノシシがいると思わなくて最初びっくりした。怖い。早く捕まってくれたら安心」

中学2年生の娘もひとりでの行動を避けるようにしているといいます。

(市来さんの娘)「10回は絶対にあっている。友達と一緒に帰っている、ずっと気をつけたい」

現場近くでは8日朝、イノシシの足跡や体をこすりつけた跡が見られ、イノシシが通ったとみられる柵のすき間もありました。
学校は市に、このすき間をふさぐための柵を取り付けるよう依頼しているということです。

イノシシなどの生体を調査、研究している県鳥獣被害対策アドバイザーの塩谷克典さんは、イノシシは場所を覚えると繰り返し訪れると分析します。

(塩谷さん)「(原良は)孤立した林。きちんと守られていないので食べ放題。イノシシは知能が高く、これはいけるぞと思ったらいけると思ったいくらでもやってくる」

イノシシを近づけないためには、エサとなりうるものを放置しないことが重要と話します。

(塩谷さん)「ゴミを廃棄する際はネットに入れ、適当にぽんと置かない。家庭菜園をしている方は残さを放置しない。とにかく人為の味を覚えさせない」

その上で、もしイノシシと遭遇した場合でも刺激しないことが大切です。

(塩谷さん)「出会いがしらは向こうもパニックになり、不用意な攻撃を誘発してしまう。背中を向けて走るのは一番まずい。相手を良く観察してゆっくり後退すること」