新潟県妙高市のとある田んぼの脇にある農業用水路で、1年間の水量の調査が行われています。水力発電施設の建設候補地になっているそうです。

【妙高市地域共生課 平出武副参事】
「身近にある水路を使って、そこを流れる水を使って発電を行って…。そこから得られる売電収益で地域の収益を確保して、その地域がこれからも持続可能な地域づくりをする。という目的でやっている」
水力発電と言えば、大規模なダムを使った出力1000kwを超えるものが一般的ですが、妙高市が目指すしているは50kw以下の小規模なものです。
参考にしているのは『佐賀モデル』です。
【RKB毎日放送記者】
「こちらは佐賀県吉野ヶ里町を流れる田手川です。小水力発電所はここから用水路の水を使って発電しています」
佐賀県吉野ヶ里町の松隈地区では、2020年から用水路を使った小水力発電を行っています。「ヘッドタンク」と呼ばれる貯水槽を置き、落ち葉や泥を取り除いたきれいな水をパイプに流します。そして20mほどの高低差を使って発電機の水車を回し電気を生み出すのです。
最大出力は30kw。できた電気は九州電力に売って収益を得ています。
松隈地区では全ての世帯が出資して株式会社を設立し、発電事業を行っています。
発電機や貯水槽の設置などにかかった総事業費は5900万円。このうち4700万円は政策金融金庫から借りました。
売電収入は年間およそ800万円。借金の返済などを除いた年間300万円前後を地域で使うシステムです。

松隈地区では、デマンドタクシーの代金の補助など、地域の活性化に充てているそうです。