7日、旧統一教会の田中会長が久しぶりに会見を開きました。「心からのお詫び」を初めて表明した教団ですが、思惑はどこにあるのでしょうか。この問題を長く追及しているジャーナリストの鈴木エイトさんと、旧統一教会の宗教2世で元信者のもるすこさんとともに考えます。
謝罪ではなく「お詫び」旧統一教会 「供託金100億円」提案も…

旧統一教会日本法人 田中富広会長
「私たちの不足さゆえに心を痛めている皆様、また、辛い思いをしてこられた2世圏の皆様、そして、国民の皆様方に改めて心からお詫びいたします」
およそ1年3か月ぶりにカメラの前に姿を見せた、旧統一教会の田中会長。
旧統一教会日本法人 田中富広会長
「(Q.先ほどのお詫びの言葉は謝罪という認識でよいか)被害者が特定されて初めて謝罪という言葉が使われると思いますが、私たちの犯罪性等を含めて法廷で議論されていくことが始まったので、明確に謝罪という言葉には距離を置かなければいけない」
「被害者」や「謝罪」という言葉を頑なに使いませんでした。

高額献金や「霊感商法」が問題となっていた旧統一教会。国は「著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」があったと判断し、10月、解散命令請求を出しました。解散命令請求について田中会長は「到底受け入れることはできない」とした上で…
田中富広会長
「供託金を準備させていただき、国に供託することを役員会で決定いたしました」
被害を訴える元信者らへの補償のための原資として、最大100億円を国に預けると表明。しかし、それには新たな法律が必要になります。
田中富広会長
「国の方で制度を用意していただければ、当法人で準備させていただく所存。したがって(法律を)作れというほどの命令形ではありませんが、ご検討いただければ、私たちは対応する準備はできましたということ」
この提案に文化庁の担当者は…

文化庁担当者
「解散してくださいねと請求している立場の人から、何らか制度をそのために作ってと言われて対応するのは難しい部分がある」
被害救済に取り組んできた弁護士は、100億円という金額について…
全国統一教会被害対策弁護団 阿部克臣弁護士
「100億円預けたとしても教団の活動に支障がないと判断した金額だと思う。そういうお金があるのであれば、被害の声を上げている人にどう支払っていくか、被害者側と教団側が話し合って教団の責任をどう果たしていくかがスタート」