◆専門家「大きなスケールで方針決めて」


専門家はこのままでは、宮古島の生態系に悪影響を及ぼしかねず、地域行政だけでの対応には限界があると指摘します。

福岡県保健環境研究所 中島淳専門研究員
「その地域の在来の昆虫や、は虫類などを食べる恐れがあるので生態系に悪影響を及ぼす可能性があります。国の天然記念物ですので、どう扱っていったらいいかということは、地域の行政だけでなく、もう少し大きなスケールで方針を決めていく必要があると思います」


◆福岡の高校が文化庁に「引き取り」を申請


天然記念物で駆除ができない国内外来種のカメの存在を知った福岡県内の高校生たちが、2匹を引き取ることになりました。第一薬科大学付属高校と福岡第一高校の水中生物研究会のメンバーです。本来「天然記念物」は移動や飼育が禁じられていますが、高校側によると、「国内外来種の問題を一般に広く周知させること」や「生態調査」を理由に文化庁に申請したところ、「天然記念物を保護する文化財保護法の趣旨にあっている」などとして特別に許可がおりました。

水中生物研究会の高校生
「すごいかわいいです。うん、かわいい」
「背中がすごく丸くてそこがかわいいなって思います。模様もね、全然違う」


◆宮古島の森では


カメ2匹を引き取りに宮古島に向かった高校生たち。引き取るにあたり野生のヤエヤマセマルハコガメを調査するため森に入りました。

高校生
「すごーい!きれいじゃん」

森に入ってすぐに野生のヤエヤマセマルハコガメが見つかりました。

高校生
「こんなところにいるとは思いませんでした。水場とかにいるのかなとは思ったけど、全然水がないところにいたからびっくりですね」
「あ、おった。こんなところにいるんだ。めっちゃおるやん!ここ」
「あ、いたー」

その後も次々と見つかるカメ。島で繁殖していることがわかります。

島の女性も、頻繁にヤエヤマセマルハコガメを見るといいます。

島の女性


「毎日見る、増えています。でも見つけても、このカメをどうしたらいいか分からないから。私がどうにかできるわけじゃないので、見ないようにしています」

高校生たちは、30分の間で20匹以上のカメを確認しました。

高校生
「いっぱい見られて良かったなという思いもありますけど、宮古島では国内外来種で普通にたくさんいたのを実際に見たことで大変な問題なんだなと思いました。