国の天然記念物に指定されているカメが、本来いなかった沖縄県内の島で繁殖し問題になっています。このことを知った福岡の高校生たちが、国の許可を得てカメを一部引き取ることになりました。

◆教室に展示されたヤエヤマセマルハコガメ


福岡市南区の第一薬科大学付属高校と福岡第一高校で10月に開かれた文化祭。教室に、体長20センチほどのカメ2匹が展示されました。

RKB奥田千里記者
「こちらはヤエヤマセマルハコガメです。かわいらしい見た目ですがある問題を抱えています」


◆120キロ離れた島で見つかり「国内外来種」に


ヤエヤマセマルハコガメは、沖縄県の石垣島と西表島に生息するカメで国の天然記念物に指定されています。しかし近年、120キロほど離れた宮古島でも相次いで見つかりました。ペットして、人によって持ち込まれたものが野生化したとみられていて、生態系を壊すおそれがあるため島では「国内外来種」となっています。ただ、天然記念物は文化財保護法で駆除が禁じられているため島の人は対応に頭を悩ませています。


◆1匹ずつバケツに入れて「カメにいい環境提供できていない」悩む職員


市の施設では、臨時的な措置として保護したカメを繁殖しないよう1匹ずつバケツに入れて飼育しています。保護した数はあわせて約60匹にものぼります。

宮古島市環境保全課 斉藤覚志さん
「飼育担当という職員はいないので、結構業務の負担になってきていて、これ以上は数を増やせないというのが現状ですね。専用の施設が設けられるという訳でもないので、カメたちにもいい環境を提供できているわけではありません」