中田芳典さん:
「治らないってことだから、それを受け入れていかなければいけないなと思って」

目がまったく見えなくなる前に好きなことを見つけて続けようと考えた中田さん。

転機が訪れたのは19歳の頃、楽器店で体験したドラムとの出会いでした。

心の支えになってくれたドラム。

その後は演奏にのめり込み、30歳を前に視力を失っても、ずっと続けてきました。

全盲の中田さんにとっては演奏の前の準備は大切な時間です。


中田芳典さん:
「セッティングだけはしっかり自分のものにしないと」
「なるべく触ってシンバルこの位置だなって。見えないから触って確認ですね、それからやる」
「楽器ってストレートに出ますもんね自分の気持ちが。だから大切に使わなきゃなって思っています。かわいい恋人と言ってはおかしいけど(笑)」

長野市でのコンサートで披露した曲は、すべてオリジナル。

中田さんが作詞作曲のほとんどを手がけています。


♪「たんぽぽ」:
「たんぽぽは空に向かって精一杯輝いている。自分の個性をその生き方を素直に愛して今生きていこう」

中田芳典さん:
「自分もたんぽぽのように、目が見えなくてもどんなことがあっても明るい方を向いて立ち上がっていこう。自分の個性をそのまま受け入れて生きていこうっていう気持ちで書きました」