山内あゆアナウンサー:
山の中にはこれだけいろいろとクマが食べるものがありますよね。それなのになぜ人里に下りてきてしまうのか?
それは、体の大きなオスなどの個体が山の中の食料を優先的に食べてしまうからだそうです。そこからあぶれてしまった子連れの個体、それから若いクマが食料を求めて人里近くに降りてくるそうです。
ただ通常市街地で目撃されるのは、先ほど話しました食料が少ない夏の時期なんですが、山で豊富に食料があるはずの秋に、これだけの人身被害があるというのは異常事態だというふうに山内先生が言いました。

恵俊彰:
先生まず今、記録的にブナとかとれていないという話ですが
強い大きな個体は(少ないブナで)何とかこの秋をしのいで餌がない子どもであったりとか、子連れであったりとかっていうクマが今降りてきてるんですか?

岩手大学農学部准教授 山内貴義氏:
そういう個体がどうしても外に排除されちゃうっていうので、食べ物がなくて本当に困って里に出てきてるのかなという感じがしますね。

恵俊彰:
クマは集団で動く?それとも家族、個体?

岩手大学農学部准教授 山内貴義氏:
基本的に全部単独行動。群れでいるのは親子連れだけになる。

山内あゆアナウンサー:
クマは冬眠中に実は出産をするのが特徴なんです。食料が少ないと冬眠時の蓄えが足らず、お母さん側が出産まで至らないで赤ちゃんを流産してしまうのです。ただそうなると危険なのが、出産しなかったメスは、オスと同じように行動範囲が広くなるということなんです。子連れのクマの行動範囲は狭いですが、来年の春出産しなかったメスのクマがもしかしたら広く行動する可能性が高い。来年の春も注意が必要ということでした。

恵俊彰:
しばらく続くのでしょうかこの状況。

岩手大学農学部准教授 山内貴義氏:
そうですね。来年の春にもしかしたら出没が続く可能性はある。

(ひるおび 2023年11月2日放送より)