環境省は、今年4月から10月末までにクマに襲われるなど被害に遭った人が
全国で180人に上ったと発表しました。
統計を開始した2006年以来、過去最多ということです。
なぜここまで被害が拡大しているのか…
実は異例の暑さもその一因なんです。
一体どういうことなのか、クマの生態を世界初の映像から知り身の守り方をお届けします。

今年、クマ被害が過去最多を更新 全国で180人死者5人 

環境省は、今年4月から10月末までにクマに襲われるなど被害に遭った人が全国で180人に上り、うち5人が死亡したと発表しました。

クマ被害は統計を開始した2006年以来、過去最多ということです。

環境省HPより

◆日本に生息するクマは2種類。北海道のヒグマと本州・四国のツキノワグマ

恵俊彰:
今日注目したいのはツキノワグマです。一体どんなクマなのでしょうか?

身体能力が高く、クマは森林生態系の中で頂点に君臨 

山内あゆアナウンサー:
本当に身近な動物でありながら、意外とツキノワグマのこと知らないのかなということを私も実感しました。まずは体長からです。頭から尾までですと110から130センチ、そして体重はオスで80キロ程度と、オスの方が大きいですね。メスは50キロ程度、そして胸に三日月の模様があることが特徴です。大きな体ですが大変運動能力が高いんです。

走る速度は車並み、短時間だったら時速50キロぐらいで走ることができます。
100m走にすると7.2秒ですから、世界記録よりも速いということになります。
それから、木登りが得意です。
爪の立つものなら垂直の壁も登ることができます。
また、水を恐れないので、おそらく泳ぐこともできるのではないかということでした。

横倒しにしたドラム缶の中でUターンができるほど柔軟性が高いそうなんです。狭いところでもくるっと回れるんですね。
ですから動物界の中では天敵は存在しないと言われるのが、クマであるということでした。

岩手大学農学部准教授 山内貴義氏:
天敵はもうほぼいないですね。森林の生態系の中では今、頂点の動物になっています。

山内あゆアナウンサー:
また五感も優れているんです。長年ツキノワグマの観察などをしているNPO日本ツキノワグマ研究所の米田一彦理事長によりますと、4キロ離れた先でも餌のにおいがわかるそうです。
視覚、目も良いんです。人間並みかそれ以上といわれています。
聴覚も良いです。高音に敏感。ですからクマ除けの鈴を持っていると効果的と言われますよね。このようにクマの生態を知ることは、私達は自分の身を守ることにも繋がると山内先生は指摘しています。

岩手大学農学部准教授 山内貴義氏:
非常にやっぱり頭が良くて知能があるというよりは、非常に学習能力が高い
例えばゴミ出しっぱなしにして、一度美味しいものを覚えちゃうと、
もう頻繁に来るようになったり、学習能力の高さは非常に伺える。

◆ゴミを放置しないなど人里にある味を覚えさせないことが重要