ツキノワグマは雑食だけど肉より植物が好み
山内あゆアナウンサー:
ここからは、クマは一体何を食べているのか、食性について見ていきます。
ツキノワグマは雑食なんです。ただ肉よりも植物性のものを好んで食べるようです。また季節によって食べるものが変化していきます。春、柔らかい新芽などを好んで食べます。夏は、木苺などのベリー類、それから昆虫を食べます。
実はツキノワグマというのは消化能力があまり強くないので、夏の硬い葉っぱというのはあまり好きではなく、夏にはどちらかというと、餓える傾向にあるということです。
岩手大学農学部准教授 山内貴義氏:
餌がないので。すごく広範囲を動き回ることに加えて、初夏の時期はちょうど繁殖期にあたるので、特にオスはメスを求めて、広い範囲を動くので人と遭遇する確率が非常に高くなる。
世界初、野生ツキノワグマの採食行動を記録した映像

山内あゆアナウンサー:
2018年5~6月に捕獲した4頭の大人のクマにGPSとカメラのついた首輪を装着して、東京農工大学大学院グルーバルイノベーション研究院 小池伸介教授らの国際共同チームが野生のツキノワグマの採食行動を記録することに世界で初めて成功した映像があります。
・カスミザクラという山に自生している桜の実を食べているところ。
・ササを前足で上手に抑えながら柔らかいところだけ食べている。
・朽ち木を崩して、中に住んでいるアリの巣。特に夏場だとアリも食べるようです。
・死んだカモシカを食べている映像
も捉えられていました。
恵俊彰:
基本は雑食なんですよね。
岩手大学農学部准教授 山内貴義氏:
ほとんど植物なんですけども、たまたま自分が歩いて行動範囲に動物の死体などがあった場合には死肉を漁ったりすることもあります。
◆食性は個体によってかなり違うことも今回の映像からわかった




◆これらの映像から多様な食性が判明
➡将来 食害などの対策としても活用できる可能性