地場流通大手のイズミが、50年前に広島市安佐南区にオープンさせた郊外型の大型商業施設。その跡地が新たな店舗に生まれ変わりました。

イズミの新しいコンセプトの商業施設「ゆめテラス祇園」が1日、全面オープンしました。

およそ2年半の工事期間を経て、グランドオープンにこぎつけたゆめテラス祇園。

地上3階建て、売り場面積は約7000平方メートル。「自然やゆとりを感じられる憩いの場」をコンセプトに、ロゴも緑色に変わりました。

2階の食品館は「毎日、食で楽しめる店舗」を目指し、惣菜コーナーを充実させて6月に先行オープンしていました。

1日は、3階フロアの専門店やフードコートなど4店舗が営業を始め、グランドオープンとなりました。

核テナントとなるのは、県内10店舗目となる「無印良品」です。店舗面積は約2300平方メートルで豊富な品ぞろえが特徴です。

無印良品 ゆめテラス祇園店 埋橋光 店長
「まちの保健室や青果の販売といった地域の方々のためになるようなコンテンツを用意した。商品だけではなく、地域の方に喜んでいただける、地域と一緒にこの地域を育んでいけるような店舗になれば」

来店客
「無印良品をよく利用するので近くて来やすくていい」

フードコートには県内で3店舗目、イズミグループでは初出店となる『シマウマバーガー』。こちらも県内3店舗目となる『ごちそうおむすび膳七』。そして、『ケンタッキー・フライドチキン』が入ります。

同じフロアにはイズミ直営のドラッグ・コスメ売り場もオープンです。

来店客
「階段が以前と比べてだいぶ減ったので、ベビーカーで入りやすい。空間も広いので押しやすい」

ゆめテラス祇園 魚本和正 店長
「以前はベビーカーが上がれない店だったが、今回はバリアフリーになりました。店だけバリアフリーじゃなく、もっとお客さまとわれわれがバリアフリーな気持ちになれる店舗で、全世代に喜ばれるお店を作っていきたい」

中根夕希 キャスター
「長年地元に親しまれてきた店舗が新しく生まれ変わるということで心待ちにしていた人も多い、ゆめテラス祇園。地域とのつながりを大切にしたいという経営者の強い思いがありました。オープン直前の店舗に密着しました。

イズミ 山西泰明 社長
「みなさん、いい顔をされていますし、これからの50年間を作る、いいスタートができそうです」

グランドオープンの1時間前。従業員を集めて開かれた1日の朝礼。そこにサプライズで登場したのは…

MC「アンガールズ山根良顕さんです」

山根さんは地元、安佐南区の出身です。

アンガールズ 山根良顕 さん
「みなさん、お疲れさまです。アンガールズ山根です。この祇園のイズミで育ちまして小さい頃の思い出が詰まっているんですが、こんなにキレイになってびっくりしています」

山根さんはイズミの山西泰明社長が来賓として招待しました。

ゆめテラスの敷地は50年前、イズミが中国地方で初めて出店した郊外型商業施設の跡地。ショッピング以外でも地域に根差した店舗として親しまれてきました。

山根さんは、小中学校時代から当時の「ゆめタウン祇園」に通っていたそうです。

アンガールズ 山根良顕 さん
「ここで盆踊りに来て、楽しすぎて、帰ってきなさいよという時間をオーバーして家に入れてもらえなかった思い出がある」

朝礼の後、オープン前の施設を山西社長が案内しました。

イズミ 山西泰明 社長
「瀬戸内の魚は懐かしいでしょう」

アンガールズ 山根良顕 さん
「懐かしいし、新鮮な魚をさばいていないのをさばいてもらったりとか」

そして、思い出の行事について話題になりました。

アンガールズ 山根良顕 さん
「ここで盆踊りができるんですね。いいですね。めちゃめちゃ楽しかった」

イズミ 山西泰明 社長
「これは、わたしのわがままで、駐車場の上にスペースを作った」

山西社長は、地域とのつながりを大切にしたいとコロナ禍前まで実施していた盆踊りの復活にこだわり、駐車場の2階にスペースを設けました。

50年前にオープンした地で新たな50年を地域と一緒に盛り上げていきたい―。山西社長も山根さんも同じ思いです。

アンガールズ 山根良顕 さん
「新鮮だし、気持ち的には懐かしい部分があって、今後も地元が盛り上がっていきそう。店員さんもやるぞって気持ちが出ていたし、ワクワクします」

イズミ 山西泰明 社長
「山根さんがわたしよりイズミのことをよく知っているわけです。逆に言うと、こんなにうれしいことはないんです。お客さまがわたし以上にイズミのことを知っていただけていること、それが山根さんだったということで、出会いがわたしにとってはうれしい。これから50年、新たな50年をがんばろうというきょうにつながっています」

中根夕希 キャスター
「郊外型の大型商業施設の走りだった土地に新たなコンセプト『自然やゆとりを感じられる憩いの場』でスタート。イズミの山西社長は、このゆめテラスについて「家のテラスのように地域のみなさんが集う場所にしたい」と語っていました。