トラックドライバーの不足などが予想される「物流2024年問題」に対応するため、日清食品とJA全農はトラックを共同で利用する「ラウンド輸送」を始めます。

日清食品 深井雅裕取締役
「物流クライシスは喫緊の課題でもあり、大きな経営課題」

JA全農 高尾雅之常務理事
「(米は)非常に重労働になるというようなことで、物流業界からも敬遠されがちな荷物」

日清食品とJA全農がきょう始めると発表したのは、トラックを共同で利用する「ラウンド輸送」です。

「ラウンド輸送」とは通常、会社毎にトラックを用意して商品を運ぶところ、一つのトラックを往復させることで、積載率などを高める取り組みです。

たとえば、JA全農の福岡の精米工場から、日清食品の「カレーメシ」などの原材料となる米を山口の工場まで運び、そこで生産した商品を載せて同じトラックで福岡にある日清食品の製品倉庫に戻ります。

この取り組みにより、通常、空のまま戻るトラックに荷物が詰め込まれるため、積載率がおよそ9%向上し、ドライバーの拘束時間を7%ほど削減できるということです。

福岡・山口間の運送ルートは来月から開始する予定で、すでに岩手・茨城間の運送ルートは今月から始まっています。

加工食品業界では競合会社同士が連携し、「ラウンド輸送」するなどの取り組みが進んでいますが、取引先同士が物流問題で連携するのは加工食品業界でも珍しい取り組みだということです。

日清食品とJA全農は他のルートでの導入や鉄道コンテナなどを利用した共同運送も検討しています。