政府は「無理のない範囲で、できる限りの節電」を呼びかけていますが、連日続く猛暑の中で、果たして私たちは何ができるのでしょうか?具体的に解説します。
■全国初1都8県に「電力需給ひっ迫注意報」政府が節電呼びかけ
ホラン千秋キャスター:政府は初めて東京電力の管内1都8県に「電力需給ひっ迫注意報」を出し、節電を呼びかけました。「電力需給ひっ迫注意報」とは、どういうものなのかというのを説明していきます。
「電力の予備率」というのは、ピーク時の電力の需要に対し、供給の余力、どれくらい供給できる余裕があるかというものを数字で示したものです。この予備率が低くなればなるほど、“安定的に電力を供給するのが難しくなる”ということなんです。
今回初めて出たのは「注意報」ということなんですが、2022年3月に「警報」が出たのを皆さん覚えている方もいるかもしれません。
この予備率に対して、それぞれ「注意報」「警報」などが出ていくんですが、今回出ているのは電力の予備率が5%を下回る「注意報」。そして、予備率が3%下回ってきますと、安定的に電力を供給できなくなるということで、「警報」が発表されます。

ここに至る前の段階ではありますが、皆さんで節電をして、状況が悪くなるのを防いでいきましょう、ということなんですね。
仮に1%を下回ってくると、「計画停電」の可能性もあるということで、緊急速報メールなどが送信される場合もあるそうです。
では、27日の電力に関して、午前11時の時点で、東京電力管内予備率どれくらいになる見込みだったのか。

午後4時から4時30分:▼2.8%
午後4時半から5時:▼1.2%
特に時間帯としては、午後3時から6時に電力需要のピークというのが来るそうです。政府は「熱中症にならないよう、冷房などを使いながら無理のない範囲でできる限りの節電を」と呼び掛けました。
見込みと比べて、午後3時40分時点の東京電力管内の予備率はどうなりそうなのか、というのを見ていきますと・・・
午後4時から4時半:▼8.14%
午後4時半から5時:▼7.47%
予備率の見込みを上げることができたということです。
■エスカレーター・券売機など一部停止今後も厳しい暑さ続く
井上貴博キャスター:個人、企業それぞれできることをということで、鉄道会社が行っている取り組みをみていきます。
南波雅俊キャスター::
東急東横線と東京メトロにつながる、渋谷駅の構内の取り組みです。

▼午前中~午後5時まで下りのエスカレーターを4か所を停止
▼4つの券売機を止める
また、東急東横線の他の駅では、▼駅の照明を消したり、▼精算機を止めるなどして電力の消費を抑えています。こういった取り組みは、2022年3月に電力がひっ迫した際に一度実施していますが、夏としては今回が初めてだということです。
東急東横線の担当者
「状況に応じて、今後も注意報や警報などがあったら柔軟に対応していきたい」
井上キャスター:
各企業できることをということですが、あまり思い切りやりすぎると、今度は熱中症で体調を悪くしてしまう方がいる。そこはちゃんとしつつ、節電もっていうのが相反する2つのことを言われているんですよ、ずっと今。
スポーツ心理学者 田中ウルヴェ京さん:
本当にそうですね。健康にはもちろん気をつけなきゃいけないので、冷房は、特にご高齢の方だと気がつくのが遅いということを、よく私の母親の世代で聞いたりします。なので、もう適温というのは本当にそこは気をつけてね、冷房はちゃんとつけてね。ただ、例えば朝、カーテンを開けないようにしたりするだけでも、だいぶ部屋が暖かくなりすぎなかったりもするので、そんなちょっとした工夫でだいぶ変わりますよね。それはやっていきたいですよね。
ホランキャスター:
電力ということでいいますと、暑い日が続くとエアコンをつけたくなりますし、扇風機などつけたくなりますよね。電力をより使うという状況になりそうなんですが、今後の東京の暑さの見通しを見ていきます。

6月27日午後3時30分時点
▼最高気温35.7℃
午前11時気象庁発表 予想最高気温
▼6月28日 34℃
▼6月29日 34℃
▼6月30日 35℃
▼7月1日 35℃
▼7月2日 34℃
▼7月3日 33℃
電気とうまく付き合っていくという日々はしばらく続きそうです。