
写真があったから…誰も現場に近寄れない
当時、水道局長だった石丸さんは、川上さんが写真を持ち帰らなければ、その後の復旧に向けた動きが数日遅れただろうと振り返る。
(元宇和島市水道局長・石丸孔士さん)
「7月7日は土石流の影響で浄水場に近寄れない、次の日も近寄れなかったんです。職員や専門家が現地を確認できたのは、被災から数日後でした。川上くんの写真があったから、浄水場が壊滅的だというのがすぐに分かったんです。7月7日の午前中には応急復旧は無理だというのをみんなが同じ認識を持っていたので」
浄水場が壊滅し断水となった直後から、石丸さんは水の確保に奔走した。当時、宇和島市には応急給水車が1台しかなかったため、県内外の自治体に応援を要請。給水所の運営を続けると同時に、仮設浄水場の建設にも携わった。