争点は「わいせつな行為があったのか」
裁判の最大の争点は「わいせつな行為があったのかどうか」です。
検察側は「五ノ井さんに下半身を近づけたこと自体がわいせつな行為にあたり、性的羞恥心を与えた卑劣で悪質な犯行」と指摘しました。
一方、弁護側はこれまで通り、格闘技の技をかけたことは認めたものの「下半身が接触するなどのわいせつな行為はなかった」としたうえで、目撃者の証言は「上書きされた曖昧な記憶に基づくもので信用性が低い」などと主張しました。
30日の裁判で意見陳述を行った五ノ井さんは「被害にあったときの光景が今でもフラッシュバックする」、「生きていることが辛い」と今の心境を語りました。さらに、「夢や希望を持っている人たちが同じような被害にあわないために、厳しく正しい判決をしてほしい」と声を震わせながら裁判長に訴えました。
判決は、12月12日午後1時半から言い渡される予定で、五ノ井さんに対する行為を裁判所がどう判断するかが注目されます。
裁判終了後、五ノ井さんは報道陣の取材に応じ「公判を通して3人が生涯反省することはないと感じた。反省してほしいという思いで闘ってきたが、それは叶わない。正しい判決が出ることで日本社会が良い方向に進んでほしい。」と話しました。
【これまでの裁判記事】
▼陰部の接触「絶対にない」被告が改めて無罪主張 五ノ井さん「許そうと思ったのは間違い」【五ノ井里奈さん性被害事件・第5回公判詳報】
▼「陰部の接触はなく、性的意図は一切ない」「腰は一度も振っていない」被告2人が主張【五ノ井里奈さん性被害事件・第4回公判詳報】
▼「着衣越しに陰部接触」「キャバクラのようだった」元同僚の自衛官証言【五ノ井里奈さん性被害事件・第3回公判詳報】
▼下半身は「離れているように見えた」元上司が証言 五ノ井さんは法廷で倒れる【五ノ井里奈さん性被害事件・第2回公判詳報】
▼「腰を振る動きは笑いを取るため」謝罪から一転、被告3人が無罪主張【五ノ井里奈さん性被害事件・初公判詳報】