リゾート地として知られるインド洋の島国モルディブ。実は中国とインドが激しい勢力争いを繰り広げています。
インド洋に浮かぶ島国モルディブ。主力の観光業で発展してきましたが、近年は海外からの投資を軸にインフラ開発などを進め、経済成長を続けています。それを大きく支えてきたのが…
記者
「こちらの橋のゲートには左側にモルディブの公用語、右側に中国語で文字が書かれています。両国の友好関係を象徴する橋だということです」
中国による経済支援です。モルディブは10年前、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に賛同。中国の支援を受けながらインフラや住宅の整備などを進めています。
市民
「私たちの生活は(中国の)インフラ開発で助けられました。島と空港が橋によって結ばれたからです」
「(中国の支援は)モルディブの発展にとって本当に良いことです」
中国には港湾を利用する権利を確保したい思惑があるとみられているほか、シーレーン=海上交通路の要衝にあるモルディブへの関与を強めることで軍事拠点化を進めたいのでは、との指摘もあります。
一方、こうした動きを警戒するのが真北に位置するインド。2018年にインドとの関係を重視する政権が誕生すると、中国に対抗した低利融資を行い、開発を支援してきました。さらに…
記者
「私の後ろには島が見えまして、建設工事が進んでいるのが分かります」
インドは今年5月からモルディブの海軍施設の改築工事を請け負っていて、現地メディアは将来的にインド軍の基地がつくられる可能性もあるとしています。2つの“大国”が影響力を競う中、モルディブでは先月末に大統領選挙が。
野党統一候補 モハメド・ムイズ氏
「モルディブに駐留している外国の軍隊を法律に従って送り返します」
インド軍の撤退を訴えていた中国寄りの野党候補ムイズ氏が接戦の末、勝利しました。
アメリカ・ブルームバーグ通信とのインタビューでムイズ次期大統領は「駐留するインド軍を撤退させる交渉を開始した」としたうえで、代わりに他の軍も駐留させないと説明しているということです。
インドメディアは「中国はインドの裏庭に入り込み、着実に利益を上げてきた」と指摘しています。ただ、中国からの借り入れが国の借金の4割を超える中で中国の投資が再び加速すれば、インフラが“差し押さえ”される、いわゆる「債務の罠」を懸念する声も。
市民
「インフレ率が高く政府はローンを支払うのも困難です。新しい大統領が適切な決断をしなければ、私たちは生き残れない」
インド太平洋の将来に大きく影響するモルディブの今後の外交が注目されます。
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