一斉捕獲による人工飼育へ

トキを復活させようという声は官民挙げて大きくなり、1967年、佐渡市(旧新穂村)に新潟県トキ保護センターが設立されました。

保護センターでは保護したトキに安全な餌を供給するとともに、人工飼育下での繁殖に期待が持たれましたが、1971年に本州最後のトキ「ノリ」が死亡。
人工飼育のトキは「キン」(1968年3月、幼鳥時に捕獲)1羽となりました。

「最後に残った5羽を捕獲して人工飼育するべきか」、それとも「野生に残すべきか」、の議論が交わされる中、1981年1月、佐渡に残された最後の野生のトキ5羽全ては捕獲され、佐渡トキ保護センターで人工飼育下に移されることになりました。


一斉捕獲により、野生の日本のトキはいなくなります。
ちなみに同じ年の5月には、既に絶滅したといわれていたトキが中国大陸で“再発見”されています。これが後の「人工繁殖」への道を開くことになります。