航空の国内最大手・ANAグループのトップ、鹿児島出身の片野坂真哉さんが、先週、鹿児島のPRを担う県の「薩摩大使」に就任しました。その片野坂さんにふるさと・鹿児島への思いなどを聞きました。

(片野坂さん)「鹿児島空港に着いて市内に向かう中で、桜島というのは七変化と言われるぐらいに景色が変わるので、帰ってきたなという風に思う」

片野坂真哉さんは、鹿児島市出身の68歳。去年2月にANAホールディングスの会長に就任しました。

今月、鹿児島が沸いた国体についてうかがうと、51年前、ラ・サール高校2年の時に開かれた太陽国体の思い出をうかがうことが出来ました。

(片野坂さん)「私は男子校だったので、マスゲームに動員があった。他の高校の方々と一緒に練習するが、女子高校生もいるので、みんなでドキドキしながらマスゲームをして。本番の時には一生懸命やって、非常に思い出深い」

ことし創立70年を迎えたANAの新たな経営ビジョンは、「ワクワクで満たされる世界を」。世界中のヒト・モノ・コトの新たな出会いやつながりを創出するとしています。

その出会いの場は、「空の上」にも。こちらは霧島市隼人町で養殖された「車えび」です。ことし6月から3か月間、国際線ファーストクラスの機内食で提供されました。

(片野坂さん)「地域とANAのつながりがもっと密接になっていくといいかなと。鹿児島は焼酎で有名だが、芋焼酎に加えて黒糖焼酎もある。最近では焼酎メーカーがウイスキーやジンを作っている。ANAとしても国際線で提供すると外国の方もエンジョイできるし、国内線でもできる」

会長に就任して1年9か月。グループ全体の売り上げが昨年度は3年ぶりに黒字に転じるなど、国内外の移動が活発になりつつあります。

そうした中で、片野坂さんが大切にしているのは「リアルな体験」です。ことしの「渋谷・鹿児島おはら祭」には、片野坂さんの姿もありました。

(片野坂さん)「一番大事なことはインターネットで映像で見て行った気分になるのではなくて、実際に足を運んで、交流・つないでいくことが大事だと思う」

地上で、空の上で…さまざまな形で鹿児島の輪を広げてきた片野坂さん。これからも地域に寄り添いながら前進していきたいと言います。

Q.鹿児島をどう広げていきたい?
(片野坂さん)「鹿児島っていいところだねと、日本人や海外の人が思ってくれる。その手伝いができればいいかなと思う」