性別を変えるためには手術が必要。この法律にトランスジェンダーの当事者からは「結婚するためには健康な臓器を取らなくては」と苦悩する声も上がっています。違憲か合憲か、最高裁の判断の行方は。
性別変更に手術は必要? 最高裁が“判断”へ
性別変更に手術が必要だとする今の法律は違憲か、それとも合憲か?
その決定を下すため9月、最高裁の大法廷では15人の裁判官が当事者側の意見を聞く弁論が行われました。

今回、審理されるのは、戸籍上は男性で女性として社会生活を送っている50歳未満の申立人について。申立人は「手術を受けなくても性別変更を認めてほしい」と訴えてきましたが、1審2審では退けられていました。
申立人側代理人 南和行弁護士
「有無を言わさず手術をしなければ、社会的に自分自身の生活と一致した法律上の取り扱いを受けられない。なぜその人たちだけそんな極端な負担を受けないといけないのか」

一方で、こうした訴えに反対する人たちもいます。
「女性スペースを守る会」などの団体は24日、最高裁に対し“手術は必要”とする約2万件の署名を提出。会見には、手術をして戸籍を女性に変更した当事者も出席しました。
美山みどりさん
「寄せられたコメントの中には女性スペースを何としても守りたい、性被害におびえる女性たちの声もあります。手術という条件は法的性別を変えるためのしっかりとした担保として、また客観的な基準として非常に大事な条件なのです」

こうした議論を複雑な思いで見ている当事者もいます。
合田貴将さん(29)。戸籍上の性別は女性、性自認は男性のトランスジェンダーです。
合田貴将さん
「手術要件はかなり重いと思っています。2人が合意したら区役所に行って、名前を書いてハンコを押す。それだけでできる結婚が、トランスジェンダー・性同一性障害になると、パートナーを見つけても健康な臓器をひとつ取らないといけない(結婚できない)」

3年前から後輩の女性と交際を続けてきた合田さん。
結婚を考える上でも、手術をして戸籍上の性別を変更するしかないと考えていました。
合田貴将さん
「本当はやりたくなかったが、手術をして結婚することが付き合ってる方への誠意だと思っていた」
しかし、女性から「結婚のためだけに子宮を摘出しなくていい」と言われたことで手術を思いとどまり、この夏、東京都のパートナーシップ制度で結ばれました。
自分たちなりの“結婚のかたち”として納得はしているものの、もどかしさも感じています。
合田貴将さん
「パートナーシップと結婚は違う。確実に意味はあるが足りない。クレジットカードの家族カードを作る、住宅ローンを一緒に組む。結婚しないで一緒にやろうとすると、ひとつひとつ説明しなければいけない」

一方で、手術なしでの性別変更に反対する人たちの声は無視したくないとも考えています。
合田貴将さん
「手術要件を撤廃したら色々な性犯罪が起こってしまうのではという意見は理解できる。ただトランスジェンダーは苦しんでいる。幼いころから受けていた差別とか、大人になってからも手術を受けないといけないとか、本当に苦しんでいて。トランスジェンダーも生きやすい社会にしつつ、性犯罪が起こらないような仕組みを考えていくための折衷案を模索していければ」















