岩手県内の美しい風景をドローン撮影でお届けします。今回紹介するのは本格的な冬を前に牛を里に下ろす「山下(やまさ)げ」を控えた、早坂高原の牛たちの姿です。

岩泉町の西部に位置する早坂高原。標高916mの早坂峠を中心に広大な自然が広がります。県立自然公園に指定されていて、シラカバ、レンゲツツジ、シナノキなどの宝庫です。

この環境を利用して行われているのが牛の放牧です。

広さは第一牧区から第四牧区まで合わせて252ヘクタール。東京ドーム54個分に相当します。

早坂高原では今年、266頭の牛が放牧されています。

黒い毛並みの牛は黒毛和種です。そして赤い毛並みの牛は日本短角種です。地元では「赤べこ」と呼ばれます。

澄んだ空気の中で牛がのんびり草を食む。牧歌的なムードが見る人へ癒しを与えます。

「夏山冬里(なつやまふゆさと)方式」と呼ばれる伝統的な牛の管理方法では、夏は山の広大な放牧地で運動をしながら、たくさんの牧草や野草を食べて過ごし、冬になると里の牛舎に移動し大切に育てられます。

冬はもうすぐ。
牛たちは「山下げ」の時を待ちます。