絵画展 最終日に見せた嘉成さんの「涙」
この夏、石村さんの地元・松山で開かれた個展では、会期となる50日の間に会場に毎日、勢の人が足を運びました。
迎えた最終日。来場者は目標の2万人を大きく上回る5万5千人に。最後の挨拶…。大勢のファンの姿に立った石村さんは心が震えました。

(父・和徳さん)
「5万人を越えるという、しかも大きく超えます。こんなにたくさん集まって頂いて」
そして、嘉成さんは会場で涙を流したのです。後日、嘉成さんはその涙をこう振り返りました。
(石村嘉成さん)
「なんで、涙を流していたのかというと、名残惜しかった」
(父・和徳さん)
「めちゃくちゃ嬉しかった、本当に。あんなに涙を流すとは思わなかったと多くの人が言っていた。『自閉症の子が感情を持ちにくい』というのは、ひょっとしたらそうじゃないのかもしれない」
高梁の会場ではそのやさしさが垣間見えました。初めは版画制作を嫌がっていた子どもに…。

(石村嘉成さん)
「ほらちゃんとできるじゃん」
優しく声を掛けたのです。
いつかは天国のお母さんに喜んでほしい

ー嘉成さんの存在は?
(子どもの母)「希望です」
(石村嘉成さん)
「お客さんに喜んでもらって、いつか天国のお母さんに喜んでほしいなと思います。豊かな感情を描いていきたい」

『石村嘉成展 ~色をまとう動物たち~』は、高梁市歴史美術館で12月4日まで開かれていて、11月には石村さんによる公開の版画制作も予定されています。