女子駅伝日本一を決めるクイーンズ駅伝(11月26日・宮城県開催)の予選会であるプリンセス駅伝が10月22日、福岡県宗像市を発着点とする6区間42.195kmのコースに31チームが参加して行われる。昨年のクイーンズ駅伝9位と、今年の出場権が得られるクイーンズエイトを逃した九電工が、トップ通過に意欲を燃やしている。ヤマダホールディングス、三井住友海上、ニトリら、主力が好調のチームもトップ通過候補に挙げられる。
今年は1週間前の10月15日にMGC(マラソン・グランドチャンピオンシップ。パリ五輪代表3枠のうち2人が決定)が行われた。そのため特例措置として、MGC出場資格を持つ選手を擁するチームは、今大会は完走すればクイーンズ駅伝に出場できる。昨年同様16位までのチームに加え、17位以下でMGC出場資格選手を持つチームがクイーンズ駅伝に出場する。
MGC出場選手不在のチームがトップ通過候補か?
前回クイーンズ駅伝9位、プリンセス駅伝出場チーム中最上位の九電工が1位通過候補に推されている。
前回5区区間賞の逸木和香菜(29)、9月の全日本実業団陸上10000m8位(日本人4位)の林田美咲(23)、大阪マラソン6位(2時間27分27秒、日本人3位)の唐沢ゆり(27)の3本柱が、他チームには脅威になる。
プリンセス駅伝の区間と距離は以下の通り。
1区:7.0 ㎞(宗像ユリックス~宗像大社)
2区:3.6 ㎞(宗像大社~勝浦浜)
3区:10.7㎞(勝浦浜~宮地浜)
4区:3.8km(宮地浜~福津市複合文化センター)
5区:10.4km(福津市複合文化センター~宗像大社)
6区:6.695㎞(宗像大社~宗像ユリックス)
今季はトラックで逸木に勝つことの多い林田が1区か3区、逸木が前回区間賞の5区か3区、唐沢が1区か5区に入る。九電工が3区までに大きく後れることはない。
4区がインターナショナル区間でキプケモイ・ジョアン(29)が走る。全日本実業団陸上5000mは6位で、2位のエスタ・ムソニ(21、ニトリ)には30秒差をつけられた。逸木が有力視される5区でトップに立つには、4区の踏ん張りも重要になる。
「今季はプリンセス駅伝優勝を目標にかかげてやってきました」と藤野圭太監督はトップ通過に意欲を見せている。
九電工に加えヤマダホールディングス、三井住友海上もMGC出場選手がいない。この3チームが1位通過有力候補と言われている。
ヤマダホールディングスは筒井咲帆(27)と岡本春美(25)のダブルエースが強力だ。スーサン・カモソ(18)は全日本実業団陸上5000mで3位、自己記録を約17秒更新するなど勢いがある。髙木雅一監督は具体的な順位は口にしなかったが、「今、組めるベストメンバーで臨みたい」ときっぱりと話した。
三井住友海上は外国人選手をエントリーせず、大物新人の小林成美(23)も状態が良くないため起用しない。だが樺沢和佳奈(24)が全日本実業団陸上5000mで日本人1位、1500mで自己記録を大幅に更新して日本人2位と絶好調。1区か3区の出場が濃厚で、どちらの区間でも区間賞候補だ。西山未奈美(23)も3000m障害で全日本実業団陸上優勝、1500mでも4分14秒85の今季日本5位記録とスピードでも日本トップレベルに成長した。片貝洋美(32)、松田杏奈(29)、清水萌(22)、小松優衣が15分30~40秒台の自己記録を持つ。
「3位以内を目標としていますが、(MGC措置もあり)実際のところやってみないとわからない」
鈴木尚人監督は慎重だが、選手層の厚さは出場チーム中一番だ。