教え子にはソフトバンク・藤井皓哉投手も 異色の高校野球監督
いま注目を集めている【画像①】のこちらの本をご存じでしょうか?タイトルは「アフリカから世界へ、そして甲子園へ」です。
帯には、福岡ソフトバンクホークスの藤井皓哉投手(おかやま山陽高校出身)も「恩師の野球オタクぶりが分かる一冊です!」と推薦しています。
著者は、今年夏の甲子園で次々に「日大」の名がつく高校を破ったことから「日大クエスト」と話題となった、おかやま山陽高校野球部を率いる堤尚彦監督です。

海外での野球指導、外国代表チームの監督、スポーツマネジメント会社勤務など、異色の経歴を持つ堤監督の「野球の普及」と「人づくり」への想いを、ジャーナリストの春川正明さん(元読売巨人軍・編成本部次長兼国際部長)が取材しました。
甲子園はあくまで「手段」その意味は?

(おかやま山陽高校野球部 堤尚彦監督)
「甲子園はもう楽しいですよ。うちの選手はいろんな方に言われるんですよ、『なんであんなに楽しそうなの?』って」
「岡山県は全然勝てないと言われてたんで、『岡山のレベルは高いよ』っていうのを示したかった」
今年、夏の甲子園で3勝を挙げ、岡山県勢11年振りのベスト8に導いた堤監督ですが、甲子園という舞台はあくまで「手段」だと言います。
練習グラウンドには【画像③】のように、『甲子園を愛しているのではなく、野球を愛している』という野球部の部訓が掲げられています。

ー甲子園は目的じゃないのですか?
(堤尚彦監督)「手段です」
ー何のための手段ですか?
「ずっと若い頃からやっている『野球の普及活動』というのがあるので、それをもっと進めるためには、自分が露出しなきゃいけないので」
「野球の普及が必要」原点はアフリカでの経験

(堤尚彦監督)
「このチームが甲子園に出れば『チームとしてやっている活動』を取り上げていただけたり、きょうみたいな取材を受けたりできるんで。そうしたら『野球の普及が必要だよ』っていうのを発信できるんで」
「そのための手段で甲子園に行きたいなと思いますし。甲子園は甲子園で素晴らしい場所ですよ、楽しいし、特別な場所だと思いますけど、そのために野球をやっている感覚はあまりないですね」

「野球を世界に広めたい」という堤監督の想いの原点は、アフリカです。
大学卒業後に青年海外協力隊として、アフリカのジンバブエやガーナで野球を教えていたときに、スラム街の空き地でキャッチボールしていた子供たちの姿を見て、強い想いを抱きました。