50年以上前に住民が集団移住し、人が住まなくなった飯田市の宿場跡「大平宿(おおだいらじゅく)」。
昔ながらの宿場町の景観を守ろうと、住民有志がクラウドファンディングで資金を募り、修繕に乗り出しました。
標高およそ1150メートル。
飯田市の山あいにある宿場跡「大平宿」。

江戸時代や明治時代に建てられた民家が10数軒並び、かつての生活を感じさせる囲炉裏やかまどなども残されています。
江戸時代の1754年・宝暦4年に開墾が始まったとされる「大平宿」。
伊那谷と木曽谷を結ぶ大平街道の宿場として明治末期に最盛期を迎え、70戸、およそ350人が暮らしていたといいます。

しかし、戦後、養蚕や林業の衰退に伴い過疎化が進み、1970年に全28世帯91人が集団移住しました。
大平宿の維持管理を担当 広瀬秀一(ひろせひでかず)さん:
「自然を守る、そしてせっかく集落の形が残るので、これを何か生かせる方法はないかと保存活動が始まった」
移住後は、宿場町の保存活動が進み、今ではかつての生活体験ができる宿泊場所として、年間1500人以上が利用しています。