岩手県宮古市の水産加工会社「共和水産」が民事再生法の適用を申請しました。負債総額は約9億1800万円です。会社は10月中に債権者説明会を開催する考えです。

帝国データバンク盛岡支店によりますと、共和水産は10月6日までに盛岡地方裁判所へ民事再生法の適用を申請し、受理されました。負債総額は約9億1800万円です。
共和水産は1985年の設立で、冷凍イカそうめんや刺身を中心に製造・販売を行い、売上高のピークは2022年1月期で約11億7400万円です。
東日本大震災で保管庫が流出し、2012年1月期の決算で債務超過に陥りました。その後イカやマダラ、秋サケといった魚種の値段が上がったことに加えて、電気料金高騰の影響を受け、経営環境の好転が見込めないとして、今回民事再生法の適用を申請したということです。
「イカ王子」と名乗って三陸の水産物のPRや地域振興に取り組む鈴木良太専務は、「会社を継続していく上での決断。できることを一つずつ行って、岩手県のおいしい水産物の加工品販売に向けて取り組みたい」と話しています。
今後はスポンサー企業探しや販路の開拓により経営再建を図り、10月中に債権者を対象に説明会を開く考えです。