ラガーマンが高校生のころに憧れたのが高校ラグビーの聖地・花園です。かつて花園を目指しグラウンドを駆けめぐった中高年による「マスターズ花園大会」が行われました。現役時代は惜しくも立てなかった夢の舞台。40年がたち、60歳前後になったOBたちが「ものすごく強くなって」雪辱を果たします。


◆一番用心したのは負傷、体が動かない・・・


福岡市にある西南学院高校のグラウンドで練習しているのは40歳以上のラグビー部OB。最高齢は66歳です。OBを対象にしたマスターズ花園への出場が決まり、練習に熱が入ります。彼らが現役の時、西南高校は最高でも県大会でベスト4。花園には一度も届きませんでした。夢の舞台に再挑戦できるまたとない機会に気合いは入っていますが、体は思うように動きません。OBたちが一番用心しているのはケガ。最初のストレッチで体をほぐすのは必須です。

田代さん「足が2か所つったので大事しときます。歳は55。70人中20番目」
中村さん「62歳、スパイク履くの久しぶりです。森先生を花園に連れて行とく言われれば、参加しない訳にはいかない」

「森先生」こと森正和さんは1976年、西南学院高校ラグビー部の監督に就任。定年を迎えるまでの38年間に渡り約400人の生徒の指揮を執りました。愛称は「もりきん」です。


◆恩師もりきんを花園へ、現役時代は叶わなかった夢が実現


試合の前日、大阪で行われた恩師を囲んでの作戦会議。皆の笑顔の先には「もりきん」がいました。

森正和先生「いつまでも私の事を忘れんでありがたいのが正直な気持ちです。懐かしい。1人1人の高校時代のプレーを思い出す。ただ怪我はしないようにしてほしい」

田中主将「俺たち、もりきんに恩返しができていなかったよね。マスターズがあるという話になって、いっちょやってやろう!と」

中村さん「現役時代に森先生を花園へ連れて来られなかったのできょうはそういう意味でも嬉しいです」

森正和先生「よう集まってくれました。みんな頭が白なったり禿げたりしているけど、昔の面影はありますね。OBたちとこのように花園の地で会えるとは思ってもなかったですね」



◆“初出場”で“初勝利”、40年越しの悲願

大会当日。いよいよ夢の舞台花園のピッチに選手が入場していきます。

「それでは一番大事なゲームの前に臨戦歌を歌います」

臨戦歌は森先生が県大会に出場した際に、歌おうと決めた讃美歌です。花園で歌うことが夢でもありました。マスターズ花園の参加条件は40歳以上。体力を考慮して前半20分は55歳以上、後半30分は40歳から54歳までがプレーします。試合が始まりました。幸先良くキャプテンの田中選手が抜け出してトライ!西南学院高校が花園初トライで先制しました。55歳とは思えない活躍の折居選手もさすがに足にきている様子です。前半は7ー0。西南学院高校のリードで折り返しです。55歳以上のプレーはここまで。

中村さん「ボールを追ってくのは楽しいですね、久しぶり若返りました」
田中主将「まぁよかったですとりあえず前半。後輩に渡して」

やや“若手”が引き継いだ後半は野口選手の2連続トライで差を広げます。対戦相手の膳所高校の反撃も及ばず、西南学院高校が2トライで試合を決めました。西南学院高校が花園の悲願の勝利を収めました。

野口さん「最高でした、昔の仲間と森先生と夢を叶えられて人生の宝物になります」
門田さん「夢の花園にもりきんと来られて良かったです」
森正和先生「いやもう、ものすごく強くなっているんでびっくりしました。素晴らしい時間を持てて大変良かったと思います。なんといっても私の財産でしょうね」