下咽頭がんで声帯摘出絶望の淵で出会った医師は「あなたの声を取り戻したい」と言った【「声」－あなたへ】CBCテレビで10月8日深夜（9日未明）ドキュメンタリー放送

手術後初めて聞く“自分の声”

田島さんは手術後、初めてコエステで自分の声を聞きます。
西尾医師が録音した声を流します。

（田島さん・音声）
「私の名前は田島です。私はのどの手術をしました。手術の前に自分の声を録音して残しました。ようやく治療が終わったところです。この声は手術の前に録音した自分の声を、アプリで再現しています。自分の声に近いでしょうか？」

西尾医師が感想を促すと、田島さんは手でOKのサインを出しました。

田島さんの自宅では奥さんが、食事の支度をしていました。まだ時間はかかりますが、一所懸命に文字を打っています。

（田島さん・音声）
「いつもおいしいのを食べさせてくれてありがとう。いただきます。」
（妻・鈴子さん）
「はいどうぞ。そうやって言ってもらうと、うれしいね」
「声がないよりも、こうやってあった方が、先が明るいというか…すごくうれしいですよね」

「まさか膀胱がんになるとは…」

“自分の声と生きていける”そんな希望が見えた矢先、さらなる試練が待ち受けていました。

（妻・鈴子さん）
「まさか膀胱がんになるとは思っていないですよね、おれ全身がんだって今までにないショックを受けていました」

咽頭がんの手術を受けて退院した数日後、今度は膀胱がんが見つかったのです。それでも、田島さんが前を向くのには、理由がありました。孫の綾乃ちゃんの存在です。

（田島さん・音声）
「このコエステを使って、孫の綾乃ちゃんと話ができるようになるのも、頑張れる１つになっています」

自分の声で、成長した孫と会話したい。その思いが、生きる力になっています。

（田島さん・音声）
「膀胱がんが分かったとき、あきらめてもよかったけれど、せっかく助けてもらった命だから、最後まで生きようと思いました。頑張って生きていきます。これからもよろしくお願いします。」

コエステから自分の声で、力強く話しました。