「会社にとって人は?」八田社長「宝です」

木上益治さん

検察官「会社に人材で転機が訪れたことがありましたか」
八田社長「はい。感謝しても感謝しきれない。平成3年ごろと記憶していますが、木上益治くんが入社してくれたことが非常に大きかった。木上くんは東京でも天才的なクリエイターでした」

木上益治さん。事件で犠牲になった61歳のベテランアニメーターだった。映画『ドラえもん』シリーズや『火垂るの墓』、『AKIRA』といった数々の名作の原画に携わる、まさに「天才」だった。

検察官「木上さんの入社で変化がありましたか」
八田社長「絵の描き方から仕事の仕方から、みんな真似をしていきました。木上くんの背中を見て、生え抜きの社員らが育っていき、会社に浸透して伝承されていきました」

そして1999年ごろ、初めてのオリジナル作品「MUNTO」を制作。ちょうどこの頃、有限会社から株式会社へと組織変更もした。軌道に乗り始めた時期だった。

八田社長「(京アニは)とても真面目な人ばかりで。一生懸命、1つ1つに愛情を持って作品を作る。丁寧で、みんなが打ち合わせをして、その通りにこなしていました」
検察官「会社にとって、『人』はどういう存在ですか」
八田社長「クリエイターの世界にとって、どの世界でも一緒ですが、『人は宝』です」