過去最大の引き上げ額となった宮崎県の最低賃金ですが、全国の都道府県の状況も見てみましょう。
全国平均は時給1004円で、今回初めて1000円を超えました。
このうち、最も高い東京都は時給1113円で、宮崎県とは216円の開きがあります。
一方、最も低いのは岩手県の893円、続いて沖縄県と徳島県の896円となっていて、宮崎県は鹿児島県などと並び、全国で3番目に低い水準となっています。
県内の引き上げ額は過去最大となったものの、他の都道府県と比べると依然、低い水準となっています。今回の引き上げについて、その背景や影響などを専門家に聞きました。

(宮崎大学地域資源創成学部 杉山智行教授)
「賃金の引き上げよりも、物価高の方が先行して実質賃金が下がってしまう。こういう現象が実際に今起こってるのが実情だと思う。そういう状況でいけば、まだまだ上げていかないと生活は苦しくなってくるのではないか。今回の上げ幅44円という過去最大の上げ幅といっても、まだ不足しているというふうに(県民は)捉えるのではないか」

物価高騰や人手不足を背景に引き上げられる賃金。
一方、企業側にとっては、コストアップにつながります。
(宮崎大学地域資源創成学部 杉山智行教授)
「やっぱり賃金が低いということで、都会に流出する若者は多いです。従業員をどう囲いこむのか、どう確保するのか、死活問題となっているなかで、(企業は)乾いた雑巾を絞るような努力を、ずっと経費削減しているので、そうした中でさらに賃金を伸ばしていくということは、難しいのではないかと思う。そこにどんな企業努力があるのかということを試されてる時期ではないか」

※MRTテレビ「Check!」10月66日(金)放送分から