9月末、沖縄県民に衝撃が走った出来事がありました。「あやぐ食堂が10月で閉店するってよ」。安い、旨い、多いと3拍子揃った那覇市の大人気の老舗大衆食堂『あやぐ食堂』が閉店するという、この情報は瞬く間に広がり、X(旧ツイッター)では閉店を悲しむポスト(投稿)が200件を超えています。
庶民の味方・大衆食堂の閉店が相次ぐ中、現場を取材をすると、地域の人たちから愛されてきた沖縄の食堂が直面する課題と現状が浮かび上がってきました。
突然10月いっぱいでの閉店を発表した大人気の『あやぐ食堂』
沖縄の家庭料理を、手ごろな価格で、おなかいっぱい食べられる大衆食堂。地元や観光客に愛されてきた老舗の味が、今、急速に失われつつあります。

2023年10月末、45年の歴史に幕を下ろすことを決めた、那覇市首里のあやぐ食堂。この閉店についてX(旧ツイッター)にはショックを隠せない人や昔を懐かしむ人のPOST(投稿)で溢れています。
Xの投稿
「閉店するの?悲しすぎる。沖縄といえばのお店だったのに」
「実家よりも慣れ親しんだ“家庭の味”、それがオレにとってのあやぐ食堂」
「次の帰省、ギリ間に合うかな。 まだ間に合うなら絶対行こう」
多くの人から愛されてきたあやぐ食堂。店には多くの客が訪れ、行列ができていました。
客
「記念というか、やっぱり最後になるかもしれないので、思い出にということで、慌ててきた」
「来れるだけ毎日来ようと思っている」

30年前から通う常連客
「子どもを連れてよく来ていた。やっぱりちょっと残念です。安くておいしい食堂がどんどん無くなっていく」
あやぐ食堂 店主 平良喜和子さん(74)
「ありがとうね。みんなで頑張って支えたけど、とうとう閉めることになった」
朝の仕込みを、チャキチャキとこなしているのは、店主の平良喜和子さん。朝9時の開店にむけて、午前6時半から厨房に立ちます。

あやぐ食堂 店主 平良喜和子さん(74)
「自分は働くのが好きだから、おうちにいるよりは、働いたほうがずっといい。あやぐにいるほうが一番楽しい」