タレントが被害を言い出せなかったのは家庭内暴力の構造と同じ?

良原キャスター:
この代読された手紙からもメリー氏の権力の大きさを感じましたけれども、手紙の中にあった裁判についてです。

ジャニーズ事務所をよく知る関係者は「メリーさんが『ジャニーは無実』と言ったら信じざるを得なかったと思う。メリーさんが白と言ったら白。何も口を出せない状況だった」と振り返ります。

ホランさんは2日の会見、そしてこの問題をどのように受け止めていますか?

ホラン千秋キャスター:
発言などを総合的にみていくと、会見でも東山さん、それから井ノ原さんは、ジャニー氏を絶対的な支配というふうに表現していた。

それから、過去にもタレントの皆さんが、ジャニー氏を父のような存在であったというふうに表現していたことが印象に残っています。

となると、絶対的な力を持った父のようなジャニー氏をトップとして、ジャニーズ事務所全体が大きな家族のような状態になっている感じだったと思うんですよね。

大きな家族になった場合、一致団結して健全な状態であれば、パワーを発揮してみんなで頑張っていくことができると思うんですけれども、何か不健全な状態に陥ったときに、家族というのはやはり、コミュニティの中で最もプライベートであって、最も小さな単位だと思います。

そこで何か不健全なことが起きると、外からはわかりづらいというのは、たとえばDVであったり、家庭内暴力のときにもいえると思うんですよ。

外からは気づきづらい。中にいてもやはり、絶対的な権力に対して立ち向かうことができない。

これは家庭内暴力の話ですが、第三者が介入して「虐待を受けていますよね」と子どもに確認しても、子どもというのは親をかばうことが実際にあるわけですよね。

となると、なぜかばっているのか。もちろん全てのケースがそうだとは思わないんですけれども、「嫌だ」「怖い」「逃げ出したい」という気持ちがありながらも、その絶対的な支配をしている人物が、いいところもある。いい人だと信じたい。恩もある。愛情もある

さまざまな感情がぐちゃぐちゃになって、こんがらがって切り離せないとなったときに、内側から「こういう怖い目に遭っているんです」と言い出すのは非常に難しかった

だからこそ東山さんもお話されていましたけれども、どんどんどんどん内向きになっていったという状況が長年続いてしまったのかなと、何となく感じて取れた部分はありましたね。

日比麻音子キャスター:
まさに私も2日の会見に参加していましたけれども、その点ですよね。井ノ原さんが「本当に得体の知れない恐ろしい空気感を僕は知っている」という言葉を選んで話していました。

そして、ジュリー氏の手紙の中にもあった「ジャニー氏にみんなが洗脳されていたところがあるかもしれない」という部分が、大きくつながったように思うんですね。

内向きな姿勢というのはそういった、かなり特殊な環境があったことも背景にはうかがえます。引き続きどのような説明がなされるのか、注目していきたいと思います。