来年3月16日の北陸新幹線金沢・敦賀間の開業に向けて機運が高まっていますが、一体何が変わるの?いまさら聞けないギモンを、自他ともに認める“乗り鉄”谷川恵一アナに教えてもらいます!

MRO 牛田和希アナウンサー
「なぜ谷川さんかというと鉄道好き、だからですよね!10月1日は盛り上がってましたね」
MRO 谷川恵一アナウンサー
「はい。以前の金沢開業もあってその時の光景を思い出して、目新しさとともに懐かしさも感じました」
“乗り鉄”アナウンサー谷川恵一が解説!
谷川アナ
「さて9月22日、JR西日本は北陸新幹線金沢・敦賀間の特急料金について国土交通大臣に認可申請しました」
MRO 兵藤遥陽アナウンサー
「新幹線なのに…“特急料金”なんですか?」
谷川アナ
「新幹線は広い意味で特急列車なんです。窓口で切符を買うと2枚になることありますよね?運賃は乗車券、移動の距離に応じて階段のように値段が上がります」
「特急料金は特急券で“速さとサービス”への対価です。これもおおむね距離に応じて変化していくわけですが…」

谷川アナ
「特急料金については東京から…金沢まで、小松まで、加賀温泉まで。実は同一の料金なんですよ」
牛田アナ
「思っていたよりも料金が安かったということですか?」
谷川アナ
「もしかして階段状に上がるのかなと思ったんですが、県内どこも同じ値段というのは結構訴求力があるかなと思います」
シャッター街と化した商店街…小松開業に活路は?
兵藤アナ
私も歓迎セレモニーの後に石川県小松市周辺を取材しました。すると、来年春に向けて“新商品”の開発を進めるお店も見つけましたよ!

JR小松駅前の八日市商店街にある「カフェバーIKKA」。店長の井川紗那さんは、おととし、親子三代でこの場所への出店を決めました。その理由は…。

井川紗那さん
「私が小学生の頃から馴染みのある商店街だがやっぱりシャッターが目立つ。ちょっとでも活気を取り戻せるきっかけになったらなと思いました」

後継者不足や郊外の大型ショッピングセンターの進出などを理由に、シャッターが降りたままの店舗が目立つアーケード。かつては44あった店舗も、今ではわずか6店舗になってしまいました。
井川紗那さん
「石川と言えば金沢というイメージがあるが、小松市は小松市で地元の人たちの人柄もすごく良いですし。まだ時間はかかりそうですけど活気に溢れる街になるのではないかと思います」
こうした新店舗の動きも出てくる中、地元住民たちは、北陸新幹線の開業をきっかけに、かつての賑わいが取り戻せるのではないかと、期待を寄せます。

商店街の関係者は…
「空港も近いという立地もあって今までなかった関東圏からの客の流れも新たにできるかなと期待している」
「来てくれるといいですけど…。商店街まで流れてきてくれるといいですよね。少しは期待しています」
開業をおよそ5か月後に控え、新たな商品開発を模索している店舗があります。創業75年の老舗和菓子店。

看板商品は、黄身餡にチョコレートをコーティングした、「御朱印」です。この店では新幹線開業で訪れる多くの観光客に商品を手に取ってもらえるよう、5種類の定番に加え、大人をターゲットにした味の開発を進めます。

御朱印・半田嘉子さん
「御朱印が個包装になった商品『リトル』で新たな商品開発ができればと。開業に間に合えばいいんですけど…。関東からも一杯客が来てくれることを期待しています」
「正直デメリットというか懸念も…」石川県内の温泉地に明暗?
加賀温泉駅から車で10分、開湯1300年の歴史を誇る山代温泉。関係者は、来年3月の北陸新幹線・県内全線開業を“100年に一度の好機”と捉えています。
山代温泉観光協会 和田守弘 会長
「やはり最強のインフラは新幹線。100年に一度の好機と言われている中で、町の魅力をどう高めていくかを第一に。官民が力を合わせないとできないので」

期待の声が上がる一方で。
石川県七尾市の和倉温泉。全国各地の温泉ファンが足しげく通う北陸随一の“海の温泉”です。毎日午後2時30分、大阪駅からの特急サンダーバードが終点の和倉温泉駅に到着します。しかしこの大阪からの直通列車は来年3月の敦賀開業以降、なくなってしまいます。

サンダーバードの乗客
「新幹線だったら速いんかもわからんけど、乗り換えが面倒やと思う」
敦賀延伸後に懸念されるのは“関西客離れ”です。特急サンダーバードが敦賀駅止まりになることで、大阪から和倉温泉を訪れるには敦賀と金沢で乗り換えが2回必要となります。
和倉温泉観光協会 宮西直樹 事務局長
「大阪駅等で最終和倉温泉行きというアナウンスが全くなくなるということも考えるとそこは正直デメリットというか懸念しているところ」
和倉温泉観光協会は乗り換えなど乗客の負担が増える分、料金を割り引く“特別企画乗車券”などの施策が必要だと訴えます。
和倉温泉観光協会 宮西直樹 事務局長
「乗り換えで料金が上がるということでそこをカバーするうえで特別企画券。是非JR西さんに作ってもらえるようにお願いをしていきたい」

和倉温泉・美湾荘の若女将多田直未さんは「能登半島には新幹線がこないからこそ、より非日常を満喫できる場にしたい」と意気込みます。
美湾荘 若女将多田直未さん
「サンダーバード直通で関西からのお客様はたくさんいらっしゃっている。(直通特急が)なくなると心配ですが、大自然と日本の原風景が5年後も10年後も残っていってお客様に非日常を味わっていただくような地域として残っていければ」
“乗り鉄”アナウンサー谷川恵一が解説!

谷川アナ
「さて現在、関西方面から和倉温泉を訪ねようとすると、直通のサンダーバードもしくは金沢で乗り換えという形になります。しかし来年3月16日からは特急を敦賀で乗り換え、新幹線を金沢でまた乗り換え、そして特急で和倉温泉へ。実は時間はおよそ20分ほど短縮される見通しですが、2度の乗り換えを強いられます。今の料金体系で計算をしますと…指定席で2700円近く値上がりすることになります」
牛田アナ
「2度の乗り換え、そして値段もちょっと高い…」
谷川アナ
「そのあたり地元からは割り引きになる特別な乗車券を出してほしい、あるいは旅行会社などに関西方面の旅行客をターゲットとした割安なパック商品を作ってほしいといった声が上がっています」