関越トンネルの開通当時、取材をしていた記者は…

「関越トンネルは谷川岳をくりぬいた10.9kmという日本一長いトンネルです。昭和52年3月に着工し、総工費630億円をかけて57年の2月に貫通しました。現在の国道17号線周りではおよそ1時間半かかっていた山越えですが、このトンネルを利用するとわずか30分程度に短縮されます。今、私達は首都東京を空から眺めました。高速道で結ばれ、首都圏入りする県内へ期待が大きく膨らむ一方、東京新宿のビル群が靄(もや)の中で、不気味なほど大きく映りました」

その後高速道路は延伸したが…

1985年、関越自動車道が全通した年の新潟県の人口は247万8000人でした。県民は間もなく250万人を突破すると思っていました。(ちなみに当時の京都府の人口は258万人)
人口ボーナスが経済指標のひとつと考えるのであれば、この頃が新潟県のいわゆる“壮年期”一番勢いがあったころかもしれません。その後2022年の人口は215万3000人にまで減少しています。若年層の首都圏流出が新潟県の課題になっていますが、これは全国どこの自治体も同じく、少子高齢化という社会的トレンドにはあらがえない状況です。