「死人ばっかり、頭の上はB29」

6月19日の深夜、けたたましい音で目を覚ました中村さん。家の外に出て静岡市内が空襲にあっていることを知ります。

祖母、母、妹と共に逃げ出しました。どこに向かうかもわからず、道に横たわる多くの人を見ながら走ったといいます。

<中村弘武さん>
「前はずっと遺体。死人ばっかり。頭の上はB29が大きく映っていましたよ。あぁもう駄目だと思うんです」

現在の静岡済生会病院まで逃げたところで、少し先の田んぼに爆弾が落ちました。

<中村弘武さん>
「突然ね、真っ暗になっちゃった。シーンとしてね。今までね、泣いたり騒いだりしたのが、シーンとしました」

中村さんは気を失ったのです。目を覚ました5歳の少年の瞳に映ったのは、なんとか生き延びた家族と焼け野原になった静岡のまちでした。