9月8日の記録的な豪雨から、29日で3週間です。大きな被害が出た福島県いわき市では、時間の経過とともに被災した人たちの住宅の問題が課題になっています。
いわき市内郷内町に設けられている現地支援センターには、29日も相談に訪れる住民の姿が見られました。支援センターには、支援物資の配布やり災証明書などの申請窓口が設けられていて、特に、浸水した床下を乾燥させるための送風機の貸し出し件数が増えているということです。
いわき市は、住民を支えるために、内郷地区にある2つの支援センターの開設期間を来月14日まで延長することになりました。
いわき市災対観光文化スポーツ部・鈴木伸政さん「何かお困りの方は相談等も受け付けているので気軽にお越しいただければ」
こうしたなか、市では被災した人たちの一時的な避難先として、公営住宅74戸を3か月間無償で貸し出すことにしています。
自宅が床上浸水被害・加藤正一さん「ちょうどここのラインまで水が上がった。中の物もキッチンも全部だめ」
自宅が床上1.4メートルほどまで浸水する被害を受けた加藤正一さんは、自宅に住むことができず、公営住宅の貸し出しに応募しました。加藤さんは現在、他界した両親が建てた自宅を取り壊すかどうか、難しい決断を迫られています。
加藤さん「両親が建てた家なので、直して一緒に住むことも考えるが、両親がいない以上一人の身なので解体という選択も頭の中にはあることはある」
一部の貸し出し住宅には、8倍近い応募があるため、競合となった住宅については抽選が行われ、29日中に当選者に連絡が入るということです。加藤さんは、貸し出し期間に限りがあることから抽選の当否に関わらず行政などと相談のうえ、今後の住居について検討していくということです。
