世界記録保持者と金メダリストが登場
地元開催で力が入っている中国は初日から、女子の五輪&世界陸上メダリストが多数出場する。
女子20km競歩には17年世界陸上金メダリスト、世界記録(1時間23分49秒=21年)保持者の楊 家玉(27、中国)が出場する。東京五輪12位、今年の世界陸上ブダペストも12位と、世界大会の成績は落ちているが、アジア大会で負けるわけにはいかないだろう。中国はもう1人の代表の馬 振霞(25、中国)も世界陸上ブダペスト7位入賞と、今季に限れば楊を上回る実績を残している。
女子ハンマー投は王 崢(35、中国)が金メダル候補。アジア記録の77m68は9年前の14年に出した記録だが、21年東京五輪でも77m03と同レベルの記録で銀メダルを獲得した。世界陸上でもメダル3個と、アジア勢では突出した戦績を誇る。
そして女子砲丸投には鞏 立姣(34、中国)が、満を持して地元アジア大会に登場する。五輪は08年銅、12年銀、16年4位と2~4位を続け、21年東京五輪でついに金メダルを獲得した。世界陸上でも15年北京大会まで4個のメダルを取り続け、17、19年と連続金メダル。中国陸上界のスーパースターである。22年オレゴン銀、23年ブダペスト銅とひと休みしているが、2連勝中のアジア大会で不覚を取ることはないだろう。
日本勢では女子ハンマー投にマッカーサー・ジョイアイリス(24、NMFA)が出場。バスケットボール選手の父親と、日本人の母親を持ち、昨年から日本陸連にも登録。今年4月に米国の競技会で69m89の日本新をマークした。日本選手初の70m台を期待できる。
男子100mは予選が行われる。ともに9秒98(日本歴代3位)の自己記録を持つ桐生祥秀(27、日本生命)と小池祐貴(28、住友電工)の同学年コンビが出場。男子400m予選には世界陸上ブダペストで44秒77の日本記録をマークした佐藤拳太郎(28、富士通)と、ブダペストで44秒88の日本歴代3位で走った佐藤風雅(27、ミズノ)のダブル佐藤が出場する。
【陸上競技1日目(9月29日)決勝種目】
男子20km競歩 8時
女子20km競歩 8時10分
女子ハンマー投 20時10分
女子10000m 21時5分
女子砲丸投 21時45分
(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)