■季節によって異なる「月の見える高さ」 「お月見」なぜ秋に?

2023年9月29日は「中秋の名月=十五夜」です。1年に12回か13回、春も夏も冬も満月は起こるのに、なぜ「お月見」は、”秋”に行うのでしょうか?

春夏秋冬の午前0時に満月が見える高さをまとめました。高い方から〈冬〉→〈秋〉→〈夏〉で、〈秋〉は〈冬〉と〈夏〉の中間ぐらいで、〈春〉は〈秋〉と同じぐらいの高さです。

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■〈夏〉と〈冬〉が「お月見に不向き」なワケ

〈夏〉は月の高度が低いため、南側に高い山や建物があると、月は隠れてしまい、見ることができません。
〈冬〉は逆に月の高度が高すぎるため、見上げるため首が痛くなりがちです。横になって寝て観ればいいですが、それでは宴会ができなくなってしまいます……

■じゃあ〈春〉にやれば? でも「春がお月見に不向き」な理由

〈春〉の満月は、〈秋〉の満月同じぐらいの高さなので、お月見に良さそうですが、〈春の空〉はかすむことが多く、月が“ぼんやり”と見えることが多くあります。


春の季語に“おぼろ月”という言葉がありますよね。つまり、空気が乾いてきて澄んだ〈秋の空〉が、満月が映える季節なのです。

■月の場所によって変わる色

大気で月の光が散乱するため、月は高さによって色が異なります。低い所では赤やオレンジ、高くなると黄色っぽくなり、天頂近くなると白っぽくなります。