近年「3組に1組が離婚する」という言葉もある中、離婚した後「子どもをどう育てていくのか」が重要視されます。現在の民法では父母いずれかの「単独親権」で、「母に親権」が渡るケースが9割以上です。離婚後の父親と母親が、子どもの親権を共同で持つ「共同親権」を日本でも導入するかについて、法務省の専門家会議が具体的な制度の議論を進めていることが分かりました。親権をめぐる課題や今後の議論について見ていきます。
■子どもの「共同親権」導入なるか? 日本の民法は「単独親権」
ホラン千秋キャスター:
「共同親権」について考えます。今後、日本でも導入されるんでしょうか?
離婚した後に2人で共同親権を持って育てていこうというものです。
まず、婚姻届を出したカップルを見ていきましょう。
2020年婚姻届を提出したのは52万5507組。
そして、離婚届を提出したのは、19万3253組となるわけです。(厚労省 人口動態統計2020年)

近年「3組に1組が離婚する」という言葉もあるわけですが、離婚した後、お子さんをどう育てていくのかというところが重要視されるわけですよね。
その上で、現状、日本は単独親権ですので、離婚の場合、どちらが親権を持つのかということが議論に上がります。
親権とは、子どもの利益のために監護・教育を行ったり、子どもの財産を管理したりする権限・義務のことなわけです。
では、改めて日本の現状というのを見ていきましょう。
現在の民法では、単独親権のみが認められています。ですので、お父さん・お母さんが離婚した場合、そのどちらかが親権を持つ単独親権ということになるわけなんですよね。
では、お父さん・お母さんそれぞれ親権を持つ件数というのはどれくらい違うのかというのを見てみると
父に親権…1635件、
母に親権…1万6908件 (2020年度司法統計より)
圧倒的に母親に親権が渡ることの方が多いわけなんです。

この現状を見てみまして海外と比べましても「共同親権」ということを考えていく必要があるのではないかということで議論が行われています。
法務省の専門家会議が行っている議論なんですが、離婚した後も、どちらかだけに親権が渡るのではなく2人協力して育てていきましょう、というものが共同親権なわけなんですが、法務省の法制審議会の部会は「子どもの貧困や虐待を防ぐ上で離婚した後も双方が最後まで責任を持つべき」だとして、「共同親権」について検討しているわけなんです。
