28日午前、富山市の神通川でアユ釣りをしていた71歳の男性がクマに襲われ、けがしました。男性を襲ったクマはそのまま下流へ姿を消し、県は「ツキノワグマ出没警報」を出して警戒を呼びかけています。
嘉藤奈緒子アナウンサー:「男性は神通川右岸で鮎釣りの準備をしていたところクマに襲われ、クマはその後川を渡り、下流側へ姿を消したということです」
28日午前11時20分ごろ、富山市下タ林(したばやし)を流れる神通川の河川敷で、アユ釣りをしていた71歳の男性がクマに襲われました。男性はクマに左ひじをかまれたほか、左肩を引っかかれ、病院で手当てを受けましたが、命に別状はないということです。

防災アナウンス:「クマが出ました。ご注意ください」

富山市によりますと、クマは成獣1頭で、男性を襲ったあと、河川敷を下流へ逃げたとみられています。地元の猟友会や市の職員がクマを探していますがまだ見つかっていません。
男性が襲われた場所から1キロほど上流の富山市春日では、27日昼ごろに成獣のクマ1頭が目撃されていて、同一の個体だとみられています。
現場を訪れた専門家は…。

富山県自然博物園ねいの里 赤座久明さん:
「クマはこういう人の気配がある所に、人に会いたくて下りてくるわけじゃなくて、冬ごもりに備えてたくさん食べなくてはいけないから、食べ物を求めて(人里に)来る。おそらくなりっぱなしの柿とか、栗の実を狙って夜に食べる。昼間は物陰に潜んでいる。それを繰り返してこのあたりで食べたら、ほかの食べ物がたくさんの所へ避難する」

富山県によりますと、県内でのクマによる人身被害は2023年で2件目。8月末までにクマの目撃や痕跡の情報は合計152件にのぼっているということです。

現場周辺の小学校では、集団下校の措置がとられ、教員が児童に付き添い、鈴を鳴らしながら下校していました。県は2023年初の「ツキノワグマ出没警報」を出して、警戒を呼びかけています。
