日本で生産されるパイナップルの99.9%のシェアを誇る沖縄県。その沖縄県の中でも東村はパイナップルの名産地となっています。パイナップルを加工する際に出てくる皮などの廃棄物を再利用することで、去年新たな特産品が誕生しました。
このパイナップルと掛け合わせたものは、こちらも沖縄特産のアグー豚。この新たなブランド豚の生産現場を直撃しました!

5つ星ホテルも取り扱う特産のパイ豚の魅力

今回訪れたのは、東村で養豚場を経営する『沖縄北斗』。目を引くのは、浮き輪に見立てたパインを身につけた子豚のマークです。

新たな特産・パイ豚の生みの親の1人である専務の大城さん。

今井記者「広いですね」
大城公輝専務「ですね。規模的には常時8000頭扱っている」

感染症などから豚を守るため、防護服を着て豚舎を案内してもらいます。

飼育するアグーは、生育状況によって3か所に分類。ここ分娩豚舎では生後3週間までの子豚が飼育されています。

大城公輝専務
「生まれたばかりですので。アグーの特徴ですけど毛並みに黒っぽいものが混ざるのと、丸っこい子豚になっていますね」

「第一子目が出て来ていますので、いまからまた、どんどん出てくると思います」

飼育は16人のスタッフが365日、交代で管理しています。

北部農林高校から就職 喜屋武瑞己さん
「高校の時には学べなかったことを一から教えてくれるので。自分も成長できるのがいいところだと思います」

生後75日以降に飼育されるのが肥育豚舎。出荷まで60日の段階で与えるエサこそが、一般のアグーになるか『パイ豚』なるかの分岐点です。

今井記者「酵素というか、酸っぱい匂いがしますね」
大城専務「パイナップルの芯とか皮ですね。餌の方に混ぜて、パイ豚に給与している」

パイナップルの缶詰加工ができる施設を持つ東村。大城さん達は、廃棄する皮などを譲り受け、パイナップルが持つ”酵素”を活かしたまま乾燥させ、豚のエサにしています。

大城専務
「何度で何時間がいいのか含めて試験をやった結果、こちらの方にいきついた」

アグー特有のあまい脂にパイナップルがもたらす作用は?

今井記者「美味しいですね。臭みが全くないですね」
大城専務「ないですね。それもパイ豚の特徴です」

臭みがなく、旨味が増した肉質にパイナップルがどう作用しているかは、いまだ解明されていないといいますが、5つ星ホテルのメイン食材として採用される等、県内で広がりを見せつつあります。

そんなパイ豚誕生の背景にあったのは”豚肉王国沖縄の危機”がありました。