「年収の壁」なくなれば経済効果約1.8兆円 一方で単身者は対象外

良原キャスター:
まさに働きたくても働けないという方が多くいらっしゃるようなんです。野村総合研究所のデータによると、年収の壁で働き控えをしているか、就業調整しているか?という問いに対して、就業調整をしている方が61.9%でした。(野村総合研究所データを基にNスタが作成)

また、この壁がなくなった場合、今より働きたいかという問いには「そう思う」と答えた方が8割近くいらっしゃるんです。

【「年収の壁」無くなった場合現在より働きたいか?】
とてもそう思う ▼36.8%
まあそう思う ▼42.1%
あまりそうは思わない ▼17.6%
まったくそう思わない ▼3.6%

さらに「年収の壁」を解消すると、配偶者がいるパート勤務の方の労働時間が2割増え、年収は20万円増えます。世帯年収も4%増えます。経済効果は約1.8兆円です。労働不足解消にも繋がると考えられています。

一方でこんな課題もあります。
同じ年収106万円でも、配偶者のあるパート勤務の方には、助成金が支払われます。その一方で、単身者(学生)は助成対象外。また、自営業で夫婦経営をされてる方も助成対象外となります。

この不公平感をどうしていくのか。厚生労働省の専門部会は本格的な議論を始めています。扶養に入らず働く人との不公平性、そして制度が複雑であることが課題です。

今後は、2025年度までに、抜本的な制度改正に向けて議論が進められていく予定です。

ホランキャスター:
まさに色んなライフスタイルがあるよね、という時代なのにもかかわらず、背景関係なく労働力で考えると、皆さん同じ条件なわけじゃないですか。でもこうやって不公平感が出てしまうと、なんだかなという感じはしますよね。

日比キャスター:
そして本当に複雑ですね。このメカニズムを何とか自力で理解して、生き延びなきゃいけないんだなというのは、感じていますね。