富山県の大型公的施設(県武道館、高岡テクノドーム別館)の建設を巡り、9月21日の県議会本会議で「何のために何をという議論が必ずしも尽くされていなかった。大本のコンセプトの議論が不足していた」と述べた新田知事。石井隆一前知事時代の整備決定について設置目的の検討が不十分だったとの認識を示したことについて、一部の県議から批判の声が上がっていて、25日の県議会予算特別委員会で新田知事は「引き継いだ立場からの答えだ」として理解を求めました。

25日に開かれた県議会予算特別委員会では、安達孝彦県議が予定していた質問に追加する形で知事の大型施設整備についての発言に触れ、「整備計画は北陸新幹線の敦賀開業を見越したにぎわいづくりの拠点となるべく動き出したものだ」と指摘し、次のように述べました。

安達孝彦富山県議:
「議会においても何度も何度も議論が重ねられ、ランニングコストの面なども考慮すると、武道館については多目的機能を有した武道館ということになりました。テクノドームについても県西部の議員や地元高岡の経済界等でも議論が何度も重ねられてきました。それに対して知事は議論が不十分だと一刀両断をされました」
すでに議論は尽くされているとして新田知事の発言を批判した安達県議。北陸新幹線の敦賀開業に向けて石川県ではスタジアムやアリーナ建設が進められていることを例に挙げ、「敦賀開業に向けてあまりにも無策ではないか」と述べ、事前通告なしに新田知事へ所見を問いました。
新田知事:
「引き継いだという立場で見ますと当初のコンセプトを考えるとか、そのようなことが必ずしも十分じゃなかったんじゃないかという、過去を振り返っての、現在それを進める立場にある者としてのお答えをしたということでご理解をいただきたい」
新田知事は21日の本会議では議員の質問に答える形だったとして「単品で話をしたわけではない」と述べ、新幹線をいかに活用するかは別の議論だと答弁しました。